父方の祖母からは近親姦被害をくらった。
「もう娘になったんやから」と祖母が言う、「そうやで、娘になったんやで」と母が相槌を打つ。
それが合図で、祖母の手が私の胸に伸びて、ゾッとして逃げる私。
女同士だから別にいいじゃないかという人もいるかもしれないが冗談じゃない。
祖母や母の声色を思い出すたびに、何とも言えない気色悪さを味わう。
近親姦被害以外では祖母は、比較的良くしてくれた。
私の服をよく縫ってくれたし、正月には私の好物を揃えてくれたりもした。
そんな祖母は今でも存命である。
最近顔を酷く怪我したそうだが、その他は元気に暮らしているそうだ。
4月になったら、母と一緒に祖母に会いに行く。
多分それが、私が祖母に会う最後となるだろうということは、母にも祖母にも伝えてはいない。