今年度に入って、望月夜様の寄稿コラムを毎週火曜日にお届できるようになりました!!!
管理人的には、 有閑爺い様や田中リンクス様との遣り取りまで含めて2度も3度も楽しめる「俺得」な感じでございます。
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noteにて、「経済学・経済論」執筆中!
「なぜ異次元緩和は失敗に終わったのか」 などなど……
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今回は、常々私が紹介しているhimaginaryの日記 さんから、三つの記事を紹介したいと思う。
1990年代に米国が犯した過ち
この記事では、グローバリゼーション・パラドクスを著したダニ・ロドリックが、アメリカの1990年代のアメリカの貿易政策を批判している。
ロドリックによれば、欧州は貿易自由化に際して再分配などのセーフティネットを十分に整備した一方で、アメリカは十分にセーフティネットを実現してこなかった。
その結果、欧州では貿易それ自体の問題は抑制された一方で、アメリカでは貿易による失業・低所得化問題が噴出することになったのである。(ちなみに、欧州ではどちらかというと移民の政治・文化的問題がグローバリゼーションの弊害として注目されている)
貿易自由化は、それによる産業変革を通じ、淘汰された企業とその元従業員などが固定的な敗者となる圧力をもたらす。これを補填する政策がなければ、国民厚生は却って低下することになり、トランプが大統領になってしまうような政治的混乱も生じてしまうわけである。
トランプ関税は有効か?
クルーグマンのトランプ関税批判に対し、CEPR創設メンバーの経済学者:ディーン・ベーカーが反論した旨を要約した記事である。
貿易相手国の為替誘導や輸出補助金などを強権的に排除することが困難である場合、(一時的な)関税は、生産を保護・育成し、国民経済のダメージを最小化することに基本的に有効な手段であることを、2002年のブッシュ鉄鋼関税を例に引きつつ主張している。
シアトル最低賃金騒動
最近、経済論壇で物議をかもしたシアトル最低賃金論文に関する反論のまとめである。
シアトル最低賃金論文では、最低賃金の上昇以上に労働時間が低下し、低所得者層の所得は却って減少したことが主張された。
これに対し
「シアトルはデータ計測時好景気だった。低賃金の労働量(人数×労働時間)が減ったとして、それが失職圧力によるものか、好景気に伴う高賃金職への移行なのか、きちんと区別すべきではないか。また、平均賃金が上昇する局面では(労働者階層区分がある程度一定なら)必然的に低賃金労働者が減ることになるが、これをきちんと考慮できているのか」
「論文は低賃金職にフォーカスしているが、同じデータで非低賃金職についてフォーカスすると、最低賃金の上昇とともに非低賃金職の労働量が増加することになっているが、この点をきちんとフォローできているか」
「市外拠点を持つ企業を排除しているせいで、全体のうち4割の職が排除しており、データの信憑性に疑問がある」
といった厳しい批判が寄せられることになった。
最低賃金問題に関わらず、色々な(実証)研究についても、このようなきちんとした批評を試みるよう注意したいところである。
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