今年度に入って、望月夜様の寄稿コラムを毎週火曜日にお届できるようにっております!!!
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noteにて、「経済学・経済論」執筆中!
「「お金」「通貨」はどこからやってくるのか?」などなど……
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これまでの貨幣論まとめで紹介したコラム等で、MMTないしMMT的な考え方を強調的に紹介してきたが、今回はこれに対する「よくある反論」を取り上げる形で、MMTを論じていきたいと思う。
Q1.中央銀行の買いオペによる「お金」の供給は、信用創造でも何でもないでしょう?
中央銀行がなぜ自行負債で市中から資産を買えるのかと言う根源を辿ると、中央銀行負債が納税に用いることのできる唯一の決済手段であるところにいきつく。(租税貨幣論、Tax-driven monetary view)
中央銀行負債の負債性は、納税に用いられる(事実上の徴税前借である)というところに集約される。
その意味で、形式的にも実質的にも、中央銀行による市中資産購入(いわゆる買いオペ)は、信用創造に他ならない。
また、実務的には、中央銀行のオペレーションは、統合政府(中央銀行+財務省)で見れば、統合政府負債(国債)と統合政府負債(国定貨幣)の比率交換に過ぎない、ということも理解しておく必要がある。
中央銀行は、政府負債のうち流動性の高いもの(国定貨幣)の比率を変えることだけで、直接市中の貨幣(マネーサプライ)を増やす能力は持たない。したがって、そもそも「中央銀行が「お金」を供給している」という文言それ自体が誤謬含みと考える。
Q2.中央銀行が実物を買ったりお金を配ったりすれば、中央銀行単体でも通貨発行は出来るでしょう?
中央銀行は、金融調節のために売買のしやすく値崩れしにくい見合い資産を保有することが必要とされている。
したがって、値崩れしやすく売却が容易でない(ないし不可能な)普通の商品の購入や、何の見合い資産もないお金の発行と給付は、担うことが出来ない。
また、少し複雑だが、「見合い資産不足」と「高インフレ回避」を両立するためには、過大なマネタリーベースがインフレにつながらない状態=長期不況を維持する必要がある、というジレンマがあり、「中央銀行がケチャップを買う」ようなことをすると、むしろ長期停滞の維持につながってしまう。
(ここらへんの詳しい話は、拙記事「中央銀行はなぜケチャップを買えないのか」にまとめたことがある)
Q3.そもそも「債務が貨幣になった」なんて、ホントにホントなわけ?
少なくとも、現代経済において「貨幣とは流動性の高い信用である」というのは、これまでのコラムや、有料拙記事「お金」「通貨」はどこからやってくるのか?や「お金」「通貨」の実態・正体でも強調してきたところである。
歴史的にも、信用システムから貨幣が生まれてきたとする考えが実証に妥当するという話(貨幣は物々交換から生まれたわけではないという話)が、フェリックス・マーティンの「21世紀の貨幣論」で詳しく解説されている。
以下、紹介記事二つを掲載しておきたい。
大昔、物々交換などなかった
『21世紀の貨幣論』を読んでみた。
また、カビール・セガール著「貨幣の新世界史」の紹介記事も興味深い。
やはり、大昔物々交換などなかった
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