さもしい国 | 進撃の庶民 ~反新自由主義・反グローバリズム

今日は、secretary-of-japan氏のコラムです。本日は「さもしい国」という稿をいただいております!!!

 

なお、前川氏が存在を明言した前川文書の一連のことを纏めて、一目で問題の概要をお知らせできるようにした前川文書(加計学園関係)のまとめーシンも、ぜひご覧ください。


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定額給付金で、「何千万円も所得があって更に定額給付金をもらおうとするのはさもしい。矜持の問題だ。」と述べたのは麻生太郎でしたが、あの発言を撤回しなければならなくなった時点で、日本という国家は「さもしい」国家になり果てたんだと、私は、今になって思います。

 

あの麻生太郎の発言に対して、甘利大臣や他の閣僚も複数名が麻生太郎の「さもしい」という発言に賛同していました。景気の下支えを目的としたものだから全員が受け取って消費に回すべきだという理屈だけで、麻生氏も他の閣僚も自らの矜持を曲げてしまいました。無論、「さもしさ」も矜持の問題も、景気の下支えという理屈だけで解決できる訳がないのですから、十分な所得があるものは辞退するべきという姿勢を最後まで保つべきでした。これを撤回したことが現在の日本の政治姿勢や、これを是とする国民を生んだのですから、誠に為政者の一挙手一投足が日本に与える影響の大きさを感じます。(無論、麻生太郎の発言撤回だけが原因ではなく、流れに竿さす発言を撤回したことで流れが加速したのでしょう。)

 

この随分前の話を持ち出しましたのは、野田総務大臣が「ふるさと納税の還元率についての通達は出さない。各自治体の自主性に任せる」という発表をした事に対し、歓迎の声を上げた人々がおられたのを見て、我が国はいつからこんなにさもしい国になってしまったのかと考え、「あぁ、あの麻生太郎が発言を撤回した辺りから、日本は、こんなにも「さもしい国」になったんだ」と思い知らされたためです。

 

 正直なところ、こんな「さもしい」国民によって構成される日本の総理として安倍晋三ほど相応しい人間はいないだろうと思えてきていたりします。

 

さて、愚痴は措いておきまして、実は本稿は、北朝鮮問題が10年後にどのようになっているのが最もベターであるかを考えることが本題でして、いくつか10年後にあり得る状況を想定してみたいと思います。読みながら、これがベターと考えながら読んでもらえれば幸いです。

 

日本人はだれも望まないでしょうが、「10年後、日本は北朝鮮の核ミサイルで大打撃を受け、北朝鮮は崩壊し、ロシアか中国に吸収されている」という状況が最初に考えられます。この場合、韓国も崩壊していて、北朝鮮を吸収した勢力の傀儡政権となり、経済的にも政治的にも韓国も吸収される直前の状況である可能性が高いだろうと思います。(これをシナリオ「1A」とし、日本の被害が少なくなったもの(軍事的な被害がなく、移民が押し寄せてくるという場合も含め)を、シナリオ「1B」とします。)

 

次に「10年後、日本は北朝鮮の核ミサイルで大打撃を受け、北朝鮮は崩壊し、韓国と統合した政権が樹立されている」という状況が考えられます。(これをシナリオ「2A」(朝鮮統合にかかる費用の一部を負担させられるといった被害なども含む)とし、日本の被害が少なくなったものを、シナリオ「2B」とします。)

 

3番目に「10年後、アメリカは北朝鮮と平和友好条約を締結し、北朝鮮は日本に対する敵対関係を解消する」という状況です。(これをシナリオ「3A」とし、アメリカだけが北朝鮮との関係を改善し、日本は北朝鮮との関係を改善しない(敵対もしない)とするものを「3B」としましょう。)

 

4番目が、「10年後、アメリカと北朝鮮の関係は現状のままで、北朝鮮のミサイル開発が進み続けている」という状況です。これは、事実上の放置です。(これをシナリオ「4A」とし、日本の国内の防衛力の整備も進んでいないものを「4B」とします。)

 

最後の5番目は、「10年後、日本とアメリカが中心となり、北朝鮮に対して強い圧力を加え続けた結果、北朝鮮はミサイル開発を継続できなくなっている」状況です。(これをシナリオ「5A」とし、日本が圧力をかけることに否定的な状況を「5B」といたしましょう。)

 

さて、この中でどのシナリオが、最も理想的だと思われるでしょうか?

 

「5A」を選択する人が結構多いだろうと思うのですが、実のところ「5A」は、10年後の日本人にとっては迷惑な選択で、上述していました「さもしい」選択とも言えるものです。なぜなら10年後の日本国民が苦労するのが目に見えているのに、解決を先延ばしにしているだけだからです。

 

「5A」の後は、北朝鮮の崩壊に繋がる可能性が極めて高く、北朝鮮崩壊の後に、「1A」「1B」「2A」「2B」のいずれかに推移します。北朝鮮をどう崩壊させることを考えずに「5A」(「5B」を含む)が理想と考えるのは、単に10年間の自分の生活の安寧を優先させただけと言えます。

 

この10年を日本国内の防衛能力を飛躍的に高めるためにどうしても必要な時間稼ぎだと考えるなら、それも選択としてはありでしょうが、よほど世界の軍事常識から離れた新技術を開発する自信がなければ、選ぶことのメリットはありません。(北朝鮮の攻撃能力の上昇分を上回って日本全体の防衛能力を上昇させるというのは、極めて困難で、よほどの技術革新がない限り不可能です。同様に、北朝鮮を無力化できる攻撃兵器を開発するというのも、よほどの技術革新と憲法改正の両方が必要であり、現実的ではありません。)

 

また、仮に北朝鮮を崩壊させることなく、「5」の圧力により北朝鮮の外交姿勢が変化させて、ミサイル開発や核開発を放棄させる場合、「3A」あるいは「3B」とならなければなりません。10年以内に北朝鮮が崩壊することもなく、姿勢を変えることもない程度の圧力を加えて、10年経過後に「関係改善」の「3」に向かうのか「崩壊」の「1」「2」に向かわせるのか、それは、その時の状況で、その時の政権や国民が考えれば良いと考えるなら、それは逃げの一種です。

 

北朝鮮問題を自分たちが解決すると考えるなら、「1A~3B」を選ばなければおかしいのですが、これを考えることなく先送りしか考えないのは「さもしい」ことだと私は思えるのです。

 

現在の安倍政権は、10年以上、北朝鮮問題を解決させないことで解決とするという「4」や先述の「5」を考えていることでしょう。一人の国民が、自分に被害がないことだけを考えるのは、ある意味では当然で仕方がないことですが、日本の国家を担うものが先送りを前提とした選択をするということはあり得ないほどに「さもしい」話です。

 

昨日の日露首脳会談でロシアのプーチン大統領に「朝鮮半島の緊張の緩和」の必要性を日露の共同記者発表の中で述べられるという大失態をさせられた日本政府ですが、北朝鮮問題の解決を望まず、「4」や「5」のシナリオを望む安倍総理にとっては、プーチン大統領の共同記者会見での発言は希望のとおりだったのでしょう。

 

安倍総理が「4A」「4B」「5A」「5B」のいずれを考えているのかと言えば、防衛能力の強化についても、安倍政権は、実際には真剣に考えているようには、とても見えません。表面的には日本が強く関与して制裁強化する「5A」を目指しているように国民には強調しつつ、実態は「4B」を目指しているとしか思えないのです。

 

誠に「さもしい」限りの話です。

 

普通の国家であるなら、「2B」あるいは「3A」「3B」といった方向を模索し、そのシナリオの実現に向けて動く必要があるのです。

 

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