ジョジョの忠義な哲学 第5部 8 | 進撃の庶民 ~反新自由主義・反グローバリズム

『超大作コラムッッッ!!!!!』として大人気のバケツリレー様の寄稿です!

今号は、「ジョジョの忠義な哲学 第5部 8」です! 

どうぞ、お楽しみください。 

 

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ジョサイア・ジョイスが語り直す、名著『忠義の哲学』!

(これまでを振り返るのはこちら

 (第1部第1回はこちら 4部までのまとめ

 

(登場人物紹介ページはこちら

 

日本人は今!

2つのスタンド攻撃を受け続けているッッッ

日本国家を本体とするスタンド「ノーウェア・マン」!

近代文明社会を本体とするスタンド「ドライヴ・マイ・カー」!

ヤツらはそれぞれ、「人間疎外」「大衆化」を促進するガスを噴き出し続ける。

人々の絆はゆっくりと断ち切られ!

バラバラになった個人は忠義を忘れつつ、自己の殻の中で傲慢さを増してゆくのだ……

 

詳しくはこちらを参照→「ヘーゲル「人間疎外」とオルテガ「大衆」との関連についての実証分析」

 

 

ジョサイア・ジョイス
「ヤツらの噴き出すガスは、文明の煙だ。
煙がしみて、人々は目つぶしを食っちまう。
「祖国」という大きな忠義のチャンスを見失い、手近な組織やグループへの「プッ忠義」にすがりつくことになる

 

「他人がゴミのように見えてしまう」のは「ノーウェア・マン」のせいだった!!(←マンガ違い)

イラスト:森子(お問い合わせはpixivへ

 

広瀬康一
「あるいは、国家政府の持つ権力への隷従を……忠義と勘違いしてしまう、か……」

 

 

広瀬由花子
「そして、自分さえよけりゃあいいという最低な連中が増えていくってことね。
現代社会は、すっかり「ノーウェア・マン」たちのペースにハマっちゃってるわ……」

 

 

ジョイス
「だが、希望はある!
君らは、あのガス攻撃を直に食らったのに何の変化もないじゃあないか」

 

 

康一
「そういえば……そうですね」

 

由花子
「わたしたちがすでに「人間疎外」の「大衆」だから……だったりして」

 

 

ジョイス
「近代文明社会に生きる以上、そういう要素は僕ら3人の中にも染み込んでいるが……
今のところ発現はしていない。
少なくとも重症化はしてないと思うね。

なぜか?

 

当然! 理由は「忠義」だッッ
君らの心に忠義が、「忠義への忠義」が多少なりともあったからだよ

 

 

康一
「そうか! 忠義は「義」の絆を大切にする、そのために行動する……
絆を断ち切る「ノーウェア・マン」たちとは正反対の概念
ですね」

 

 

由花子
「ということは、今は「プッ忠義」や「大衆」な人も手遅れじゃあないってこと?」

 

 

ジョイス
「忠義の精神は実践的でわかりやすいものだ。
彼らの心に「忠義への忠義」を呼び覚ますことができれば、と思う。
彼らが「眠れる奴隷」であることを……
目醒めることで…真の忠義を知り、「忠義への忠義」のために生きることができる「眠れる奴隷」であることを願いたいところだね

 

 

康一
「そうですね……
でも、「人間疎外」「大衆化」ガスは四六時中、ぼくらを取り囲んで「絆」を分断しているんですよね、
忠義って、それに負けない勢いで普及できるんですか?」

 

 

ジョイス
「まさにそこが急所だよ。
「ノーウェア・マン」や「ドライヴ・マイ・カー(DMC)」は忠義育成の天敵だからな……
多くの人々に忠義になってもらうには、ヤツらの猛威を抑え込む……つまり、これ以上「人間疎外」が進まないようにしなくちゃあならない」

 

 

由花子
「それって要するに…
人はひとりで生きているんじゃあない。
家族や周りの人、農家や漁師、運送業者、土建業者、警察、医者……
いろんな人たちに支えられている

ってことに気づいてもらう必要があるってこと?」

 

 

ジョイス
「そうだ。
自分の中に閉じこもって「おれスゲエ」って幻想に浸るのではなく、本来の自分の姿をよく知ってもらうんだ

 

 

康一
「元々は、先祖から受け継いだ小さな命。
それが日本の文化の中で、また、同じ時間・空間を生きる人たちとの関わりのおかげで、いろんなことを学び、教えられ、また与えられて成長した……
それがぼくという存在ですよね。

 

大きく考えると……
歴史・文化・国民の総体である「国家」がなかったら、今のぼくはない。
全く別の人格だったでしょうね。
だから、「日本死ね」なんて言うのは、自分に死ねっていうのと同じ……」

 

 

ジョイス
「「ノーウェア・マン」は、最初に個人を「国家」から切り離す。
個人の実感として、「国家」は確かにちょいと遠いところにあるからな。

 

とはいえ、安易に「国家」への忠義を鼓舞するのは避けたい。
「国家」への権力の集中が進む現代だ。
忠義の代わりに、権力への隷従が普及しかねない

 

 

由花子
「でも、国家権力である「政府」はともかく、国そのもの…
国民全体としての「国家」への忠義は必要でしょう?」

 

 

ジョイス
「ああ。
だから、ここで我々が求めるべきは地域主義だ。
地元への忠義さ!!

 

 

康一
「ぼくらで言えば、この杜王町~S市~M県を大切にするってことですか?」

 

 

ジョイス
「そうだ。
もちろん、自分の町さえ良けりゃあ、あとの町はどうなったっていいっていうタイプは論外だがね。
僕の言う地域主義とは、自分の町をより良いものにしようとすることさ。
道路や交通機関を整えたり、図書館や博物館を充実させたり、町の偉人や歴史の本を作ったり……だな」

 

町内美化活動……

エコーズACT3で落ち葉を集め、ラブ・デラックスで花を植える!!

由花子
「町の安全を守るとか、伝統的なお祭りを続けるとか……
花を植えたり、ゴミ拾いしたりなんてのもあるわね」

 

 

康一
「その点で言うと、最近はいい傾向もありますよ。
教育では「共育」が大事だってことで、学校と保護者と地域の人たちが協力する機運が高まってます。
特に小学校を中心に、地域の人たちがいっしょに何かをやろうとか、仲良く楽しもうとか、そういう感じがありますね。

 

ぼく自身、町内会の行事によく駆り出されてますし……
その後いっしょに飲みに行ったりして、結構楽しいですよ。
みんな、この杜王町が好きなんだなあ~って思えますね」

 

 

ジョイス
「そう、大切なのは地域のプライド、地元への愛が温かく成長することだッッ
そして、この地域への忠義を通して、国家への忠義を育てるんだ

 

 

由花子
「それぞれの地域が個性豊かに成長した上で、国家として強くまとまる必要があるってことね」

 

 

ジョイス
「ああ。幅広く発展した地元忠義こそが!
個人の小さな利害関心と、広大な祖国愛とをつなぐ最良のもの
だからな。
地域の絆、地元の理想が衰えていくなら、そういう市や町は「ノーウェア・マン」の格好の餌食さ」

 

 

康一
「おまけに政府への権力集中が進むなら、ぼくらの生活から国民精神はますます疎遠になっちゃいますね」

 

 

由花子
「強大な「国家」権力に対しては、「長いものには巻かれろ」となるか……
それとも自分たちの生活を保障してくれる便利な道具として利用するか……
どっちみち、自分のことを国民じゃあなく、「市民」「住民」としか思わなくなるわ

 

 

ジョイス
「歴史を振り返ってみても、国家レベルで人々の絆を強くしようとするなら、地元忠義によって国民と国家との間を取り持ってもらうしかないんだ。
「国家への忠義」は、大きな忠義=「忠義への忠義」の重要な実例。
『忠義への忠義』こそ真の忠義であり、最高善であることをわかりやすく示してくれるものさ。

 

そこに至るためにも、まずは賢明な地域主義、地元忠義を発展させる。
そのための実践の中でこそ、人々の「忠義への忠義」は育てられるはずだ」

 

 

康一
多様で豊かな「郷土愛」こそ、「忠義への忠義」の最適な育成環境ってわけですね。
「国家」あっての「郷土」ってことは折に触れて意識するべきでしょうけど」

 

 

ジョイス
「うむ。とはいえ、実際の「忠義」の育成は、主に個々人の問題だ。
どう育てるかはだな……
残念ながら時間切れだ」

 

 

康一
「スタンドを使って話してるわけですから、ちょっと疲れますね。
ぼくも限界ですよ」

 

 

由花子
「続きはまた次回ね」

 

 

(第五部 完)

 

エンディングテーマ  The Rolling Stones / Paint It Black , the Slave

 

(予告)

オレは間田敏和(はざまだ としかず)。34歳。康一君の友人だ。
東京で派遣事務やりながら漫画家を目指してたんだが……どうにもうまくいかず。
漫画への情熱も冷めかけた上、事務の仕事の方も契約切れ。
くだらねー仕事なんざどうでもいいけどな……
ちょいと里帰りしたところで、久々に康一君に出会って、「忠義」の話を聞いた。
忠義だの道徳だのには大して興味ないが……百年前の人間と話すってのはなかなか面白そうだ……

 

 

次回、第6部スタートッッ

「忠義を育てるッッ ――先達! 理想! 試練! 忠義にはそれが必要だ――」

 

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