1980年5月に韓国で勃発、多数の死傷者を出した光州事件は韓国が外国に報道さ
れないように遮断したのですが、それを世界に伝えたドイツ人記者と、彼を事件の現場
まで送り届けたタクシー運転手の実話をベースに描いたヒューマンドラマです。
1980年5月、民主化を求める大規模な学生・民衆デモが起こり、光州では市民を暴徒
とみなした軍が厳戒態勢を敷きます。「通行禁止時間までに光州に行ったら大金を支払
う」というドイツ人記者ピーターを乗せ、光州を目指すことになったソウルのタクシー運転
手マンソプは、金儲けをしたいばっかりに引き受けます。
そして機転を利かせて検問を切り抜け、時間ギリギリにピーターを光州まで送り届けるこ
とに成功しますが、留守番をしている11歳の娘が気になるため、危険な光州から早く立
ち去りたいマンソプでした。記者ピーターはデモに参加している大学生や、現地のタクシ
ー運転手らの助けを借り、取材を続けますが・・・。
監督は「義兄弟」「高地戦」のチャン・フン。主人公となるタクシー運転手役をソン・ガンホ、
ドイツ人記者役を「戦場のピアニスト」のトーマス・クレッチマンが演じています。
今の韓国は外交上からのことからしても、決して好きな国とは思っていないのですが、最
近の韓国映画は、特に出来のいい作品のみが日本に入ってきているにしても、この作品
は映画の色々な持ち味が投入されていて、これには参ったと思いました。最初は陽気な
場面からはじまり、どんどん変化して行く過程も上手く描かれているし、はらはらドキドキも
あり、最後は感動の嵐です。絶対お薦めの一本です、是非ご覧ください。
本当にいい作品ですね。アラ探しをすればカーチェイスも然りかも
知れませんが、そのくらいは目をつぶってもいいと考えます。
それにしても邦画の低調ぶりに落胆の毎日です。(笑)