平成29年6月歌舞伎鑑賞教室 | 花の他には松ばかり

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歌舞伎のことなどなどのひとりごと

 

 

平成29年6月歌舞伎鑑賞教室に行ってきた。

私は歌舞伎鑑賞教室(演目と役者にもよるけれど)が好きだ。

歌舞伎を初めて観るであろう学生さんたちのリアクションが楽しい。

 

今日は男子高と女子高の生徒さんたちが来ていたようだ。

「解説 歌舞伎のみかた」が始まるとき、明かりが少し暗くなって幕が開いただけで、

男子高性たちは「ウォオオオオッ!」と、まるで野外ライブのノリ。

隼人くんの解説が素晴らしい!

とてもわかりやすかったし、臨機応変に客席の男子高校生と絡んだりして飽きさせない。

ツケの説明で男が歩くときと女が歩くときの違いを実際にやってみせたとき、

女で歩いたのを観た男子高校生から思わず「可愛い」と声が出た。(笑)

 

立ち回りのときには、いわゆる『奥庭泉水の場』の一部をやった。

形も美しくなっていて、うまくなったなあと感動。

その後に獅子の毛振りを本意気でやって会場を沸かせた。

 

そして、今回の画期的試み、「#歌舞伎みたよ」。

この解説の中の10分ほどの時間はスマホで写真を撮っていいという若者に寄せた素晴らしい試み。

ところが、前の方の大半を占めていた男子高校は全員スマホを取り上げていたらしく、

(おそらく)全員が写真を撮ることができなかった。

初日や始まって一週間とかではないのだから、その辺りは引率の先生は情報を入れておくべきだ。

生徒たちに古典芸能と触れ合うことをさせたくて連れてきているのだったら、

やはり「楽しかった!」と思う要素をひとつでも削るようなことがあったらダメだよ。

隼人くんは臨機応変に、後ろの女子高生たちの席に通路を走って行って、

「こっち?」「そっちも?」と撮影に応じていた。

女子高生たちは「キャ~ラブラブ」と大歓声。(笑)

 

 

 

 

まるで、これがひとつの演目のような素晴らしい「解説」だった。

 

歌舞伎十八番の内 毛抜(けぬき

粂寺弾正が錦之助のニンかニンではないかの二択しかないとしたらニンではない。

けれど、もともとうまい役者だから、台詞も聞き取りやすく飽きさせない芝居でよかった。

突出していたのが、新・彦三郎だ。

「毛抜」は若い頃から何度も観ているが、こんなに素晴らしい八剣玄蕃は、私は初めてだ。

おじいさんの羽左衛門にますます似てきたが、正直おじいさんより上手い。

立ち姿が平面的ではなく、ほんの少しの角度で、こんなにも美しく立体的に見えるのかと思わせてもらった。

台詞まわしもこれまたいい!

悪役もここまでうまいと色気すら感じる。

安定の孝太郎の腰元巻絹。

右近の小野春風も品があってよかった。

 

とにかく・・・ 楽しかった!