デルフト焼が好きな人も、そうでない人も~Delftware Wonderware, Gemeetnemuseum in Den Haag

2014年10月27日月曜日

デルフト焼 デン・ハーグ デン・ハーグ市立美術館 展覧会

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デン・ハーグ市立美術館のお話はまだまだ続きます。



この美術館で一番好きなのがデルフト焼の展示室です。展示スペースはそれほど広くはありませんが、バリエーションが豊富で見ていて興味が尽きません。



とくに好きなのがチューリップ用の花瓶を並べた部屋です。どこに花を挿していいのやらわからないユニークな形をしています。この部屋には17世紀の代表的な形の花瓶や現代の作家による花瓶が展示されています。


花瓶だけのアップの写真を撮るのを忘れて見づらくて申し訳ないのですが、上の写真の右にある五重塔の段数をもっと多くしたような花瓶が典型的な大型のチューリップ用花瓶です。四隅に出ている急須のような口がついていて、そこにチューリップを一本ずつ挿します。また一段ずつ外すことができるので水の入れ替えも思ったより簡単です。

参考写真:ロイヤル・デルフト in デルフト

なぜこような変な形の花瓶がチューリップ用の花瓶と呼ばれているのか。

チューリップは17世紀にトルコからオランダにもたらされたときに、その花の形が「聖杯」のように美しいとオランダ人たちは魅了され、多くの人々が買い求めました。しかし、輸入品で数も限られていたということもあって大変な高価で取引されていたので、なかなかたくさんのチューリップを買い求めることは難しかったそうです。そんななか、少ない本数でも広い空間を飾れるように考案されたのがこの花瓶なんだそうです。


背の高い花瓶が堂々と並んでいるだけでもとても豪華ですが、さらに部屋の装飾が華を添えます。デルフト焼は東インド会社によってもたらされた中国から景徳鎮の磁器をまねて作られたので、この部屋の壁紙やインテリアも中国風です。

そして他にも、小さなデルフト焼の置物を飾った棚や日本や中国の陶磁器との比較ができる部屋も設けられています。

上が中国や日本の磁器、下がデルフト焼
展示の方法もガラスケースに中だけでなく、食器棚を使っていたりして実際の飾り方が分かったりして面白いです。食器棚の上にデルフト焼が載っているを最初に見た時はとてもびっくりしました。


食器やインテリアがお好きな方はもちろん、美術はあんまり・・・という方でも楽しめる展示室だと思います。


Gemeentemuseum, Den Haag
Stadhouderslaan 41
2517HV, Den Haag
http://www.gemeentemuseum.nl/en


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ミイル。ブログ Miruu 管理人。オランダ芸術や街散策を中心に、美術だけでなく建築なども含めた芸術について広く紹介します。 Twitter: ミイル@miirublog

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