§アミーユライフ§

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~葉書に込めた思い~アミーユ福山城東

2014年09月25日 | アミーユ福山城東_福山市

 

お世話になります。
アミーユ福山城東、担当マネージャーの宮原と申します。

秋の訪れを感じる季節となりました。

今回のブログは、

アミーユ福山城東で生活されている方のエピソードをご紹介させて頂きます。

題名にもある通り、キーワードは「葉書」です。

※昔、ご入居者様から買い物メモを渡された若い職員に「葉書(ようしょ)って何ですか?」
と聞かれた事を思い出します。
メールやSNSなどが多い昨今、「葉書」の良さも失われつつあるのかもしれません。


本エピソードの方を仮に、A様とお呼びいたします。

A様は、ほぼ毎日(体調のすぐれない日は困難ですが)、お葉書を書かれます。

宛先は、ご主人様です。 

ご主人様からの葉書、封書での返信もございます。

この間は、ご主人様より、封筒内に葉書が20枚ほど入っており

その葉書をお使いになられて、またお葉書を書かれます。

私達の役割は、その葉書をお預かりし、ポストに投函させていただくことです。

時には1日に数回、郵便局へ行く日もありました。

A様からアルバムのお写真を見せて頂きましたが、ご病気になられるまで、

ご夫婦で旅行に数多く行かれていたそうです。

地域で25年間以上、ご主人様と一緒に、歴史紹介など「おもてなし」の

ボランティアをされており、様々な写真や思い出などをご夫婦著者として書籍も出版されております。

 

書籍から一部抜粋して、記載させて頂きます。


 「顔の皺」

人様から「顔に皺がないわね」...とよく言われる。
その度に私は心の中で「主人のお蔭」・・・と掌を合わす。
縁あって夫婦になり、四十年が過ぎた。その間、針の穴程も主人の事で心配した事がないのは妻として一番の幸せと思っている。

世の中の夫は、とかく奥方に心配をかける事が多い。
女、酒、かけごと、日常生活の不摂生から起こる病気など誘惑のキッカケは周りに山積している。
それ等と全く無縁なのが主人である。だから心配のタネがない。
入院したこともなく、病気と言えば、年一度の風邪をひく程度、
それもレモンを一、二ケ丸かじりして、
ふとんを頭からかぶって一、二時間寝る・・・。
これが主人の風邪解消法である。

血圧も正常、五臓六腑も今のところ健在である。
この健康を一日でも維持できる様、精いっぱい毎日の食事づくりをしなければ
罰があたると思っている。

人の過去は木の根に似ているとか・・・、そこにあらゆる要素が養分になって
人をづくり現在を支えている。主人を見ていてつくづく感じる言葉である。
生後三か月で母と死別し大きな十字架を背負って生きてきた。
子供の頃から人の倍、悩み、考え、堪えて、何事も一人で辛さを受けとめて
孤独な毎日であった過去・・・。
だからこそ今の主人があり、この四十年いつも大きな毛布で私を包んでくれたのだと思う。

それを思う時、いつも胸が熱くなり、過去の分まで幸せでいてほしいと
痛感の日々である。

人並みの幸せがよし豆の飯
相づちも妻の役目や秋灯下


※個人情報保護のため画像加工をさせて頂いております。


 上の抜粋の通り、病気になる前から、食事や健康にも気をつけて、

ご自身でも勉強されてきたそうです。

詳しい疾患名は差し控えさせて頂きますが、アミーユ福山城東におられるA様は、

ご主人様にお葉書を書くことを

何も(ご主人様に)出来なくなった私にとって、出来ることをしたい

という気持ちがあるから」と仰られました。

 普通に葉書を書くこともA様にとっては、手の問題もあり、

決して簡単なことではないご様子です。

「昔に比べて、字が下手になりました」と少し笑いながら、

それでもペンをとり、様々なことを書かれています。

個人情報保護のため、お葉書はお預かりしますが、

文面は読まないように配慮して投函していますので、

何が書かれているのか、私にはわかりません。

ただA様が思いを込めて、頑張って、お葉書を書かれていることは、

見ていて良くわかります。

52円のお葉書、しかしその一枚一枚に込められた思い、

それはA様、そして家族様にとってかけがいのないものだと思います。


 A様に限らず、高齢になるにつれ、移動や食事がご本人様の思うように、

ご自身で出来ないかもしれません。

それでも、アミーユの中だけが、ご本人様の生活(生活圏)になってしまうのではなく、

大きな「人生という生活」の中に、住まい・介護としてのアミーユ福山城東という存在がある。

出来ないことが増えていくのではなく、出来ることが形を変えて、自分の意思で生きていく。

その方の人生において、少しでも「支え」になれるよう、私たちは、日々、悩みながらも、

皆様と一緒に生活し、時間を過ごしています。

決して「葉書」を出すことがケアではなく、その方の思いを受け止める、

受け入れる(受容)こと、そしてアミーユの内外、社会との関わりなど、その方の普通の生活をお支えしたい思います。


 いつか、私たちも「介護する側」から「介護される側」になります。

『日常のちょっとしたことの積み重ねが、実は人生というものであるならば、

時に大きな事があっても、自分らしく生きていくこと』

そんなことを、A様のお姿から教わったように思います。

最後に、ありし日のご夫婦のお姿と共にご紹介させて

頂きまして、今回のブログを締めくくりたいと思います。

※個人情報保護のため画像加工をさせて頂いております。

 

<後日談>
 9/25~年明けて2015/1/15現在のA様のご状況について
徐々に、覚醒時間や体調にも支障が出てきております。

今は、ご飯を食べることに一生懸命です。
来訪されたご主人様に「やせたなぁ」と言われ、
これは主人を不安にさせてはいけない!と
生きるために頑張って食事をとられています。

その分、手紙を書かれることはなくってしまいました。
今を精一杯生きようとされるA様のお姿は、今も光輝いています。

<追記>
2015/3/9 ご本人様の状態が徐々に低下。食事量も低下し、「しんどい」「楽にして」「限度があるわ」と
点滴や在宅酸素導入を行い少しでも「しんどさ」を取り除こうと対応しております。

本人様の思いは複雑です。

3/15 本人様の苦痛の訴えにお話させて頂きました。本人様の苦痛に心で涙しながらも
すこしでもお役に立てるように「寄り添って参ります」

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