『アエネイスミッション』[Aeneas Mission ]

建国の使命を抱くアエネイスのフアストミッションは自軍団自民族引き連れて炎上壊滅するトロイからの脱出である。

『トロイからの落人』  FUGITIVES FROM TROY   第7章  築砦  1224

2018-02-16 08:06:06 | 使命は建国。見える未来、消える恐怖。
 イリオネスは確認口調でオキテスに話しかけてくる。
 『オキテス、ところでだ、今、我々が建造している戦闘艇だが、建造の品質、まあ~、簡単に言うと長期使用に関しての頑丈さだが、どんな具合だ?』
 『はい、結論から申し上げます。非の打ちどころがありません』
 『ほう、大した自信だな』
 『ドックスからの報告を受けて、私が再度確認しました。船舶を建造する事業者として、大いなる自信を確信するに到っております。建造の品質、頑丈さは問題はありません。何ら懸念するところはありません。また使用に関して、航走時における如何なる海上条件にも対応できる構造体で出来ていることを設計責任者であるパリヌルス隊長に確かめてあります。なお、これについてはこのたびの長途の航海において検証しております。これらの件について、現場において建造を責任担当している、ドックス棟梁にチエック状況を報告させます』
 ドックスは、戦闘艇の建造部材の品質、部材製作の正確調製、組み立て工作用金具等の適所使用、なお、この建造に携わっている作業者らの技術の水準、作業者マインド等についても詳しく説明にする。また、パリヌルス隊長の船舶建造思考の先進性、ドックスの船の制作時における配慮ある工作についても説明に及ぶ。
 『おう、よく解った。それについては、今、聴いたことを説明し集散所方が納得するように話す。任せてくれ』とイリオネスが一同に告げる。
 アエネアスが口を開く。
 『今、聴いた、オキテス、ドックスの説明で船舶の建造品質が確かであることを理解した。君らがこの船舶の建造にいかに心血を注いでいるかを知った。改めて諸君らに礼を言う、ありがとう!』
 イリオネスも感謝の念を込めた目線向けている。アエネアスが言い終わって、二人がうなずき合う。
 イリオネスが口を開く。
 『今、我々が決めた戦闘艇の引き渡し価格、我々が建造している船舶の確かな品質、我々が自信を持っている建造技術の確かさ、建造に携わっている者らの作業マインド、姿勢を伝える。いいな』
 このイリオネスの言葉を聞いて一同は拍手して大満足を示す。
 『オロンテス、俺は明日キドニアに出向く!以上だ』
 『解りました』
 言い終えたイリオネスの表情が和らぐ。話を続ける。
 『今日この場で話し合っておく用件があるかないか?ないようであれば、今日の会議はこれで終わる』
 パリヌルスが手をあげる。
 『おう、パリヌルスなんだ?』
 『軍団長、艇の仕様書き、図面の件です。営業のツールとして、効果的であるや否やですが、如何がでしたか?』


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