きょうのフクオさん　認知症の父観察日記　

フクオさんがグループホームへ入所した２２日の翌日、
私はフクオさんが使っていた食器を捨てました。
もう見るのも嫌でした。

認知症のフクオさんの介護は辛かったです。
そしてそれと同じくらい、嫌いな人の介護は辛かった・・・。
いつも、なんで私がこんなことやらなきゃならないのか、
と思い続けていました。





長かった母の髪をつかんだフクオさんが、
鬼の形相で部屋を引きずり回したり、
フクオさんが鉄パイプのイスで、コノヤローと言いながら、
うずくまる母を何度も叩く様子がいつも浮かんできます。

家を出て数カ月行方不明の妹の自殺が分かったときは、
悪い男に引っかかっているくらいなら、
死んでてよかったと言ったフクオさん。
引きこもりだった妹を病院へ連れて行きたいと言った私に、
あれは病気じゃない、第一オレに子供はいないと言ったフクオさん。

フクオさん、あなたにとって家族ってなんだったのですか。
私は６０歳になった今でも、そんなフクオさんを受け入れられません。
物心がついたころからずっと大嫌いでした。

グループホームへ入所して、ブログやめて、
目の前からいなくなったフクオさんを、
心の中からも消し去りたかった。
辛かった介護も、トラウマの日々も、全部捨てたかった。





でも、グループホームへ入所しても、
私がフクオさんの保証人はやめられません。
捨てたいと思う私の願いは現実離れしていました。
フクオさんに何かあれば、
私が責任を持って見続けなければなりません。

コメントを読ませていただきました。
私が一番辛い時に、励まし、寄り添い、受けとめてくれました。
みなさんの支えが無かったら、
きっと新聞の三面記事に載るようなことになっていたかもしれません。

ブログは不定期になりますが、続けることにしました。
自宅ではないけれど、介護は続いているんですね。
グループホームのフクオさん、どんなかご報告します。





犬友のＹさんが、フクオさんの部屋の後片付けは、
性急にしないでしばらくゆっくり休んだらと言われました。
捨てたい気持ちもゆっくり消化したら、
心の幅を広げることができるでしょうか。