あけましておめでとうございます!

 

普段は絵画をメインに美術館のことばかり投稿していますが、クラシック・バレエやフィギュアスケートの大ファンでもある私です。

 

キーロフバレエなどロシアのバレエ団、ロシアのフィギュアスケート勢が大好きなので、2018年初の投稿となる今回は、その分野の2017年までを振り返って、2018年の観賞につなげようと思います。

 

まずはフィギュアから!

 

演技をみないとはじまらないと思いますので、YouTubeの動画リンクを張ってご紹介しますね。

 


フィギュアスケートで2017年一番うれしかったニュース:

ロシア男子選手ミハイル・コリャダくんが、グランプリシリーズ中国杯4回転ルッツ・ジャンプを成功させて史上6人目のSP100点台を叩き出し、総合優勝(↓)。

それ以外のジャンプもすべて無事着氷しています。

…しかし、解説者のおじさま方、ジャンプの成功のたびに力入りすぎです(笑)

 

 

ショートプログラムの選曲は、モーツァルトのピアノ協奏曲23番。好きな曲なのでうれしいです。

Piano Concerto No. 23 in A major, K. 488: II. Adagio

 

12月下旬に行われたロシア選手権でも、辛くも優勝(選手全体にジャンプミスの多い大会でした)して、

1月にモスクワで行われるヨーロッパ選手権のロシア代表選手にも選ばれています。

 

現在22歳で、最近のスケート選手にしては遅咲きですが、徐々に戦績を上げてきていて、今季最大のダークホースだと言われています。

 

派手さはないのですが、スケーティングも身のこなしもとても綺麗なのが魅力です。

(それから無邪気な笑顔!)

ジャンプも滞空時間が長く、しっかりと回転をしてから着地をします。決まると氷に映えます。

週4日はクラシック・バレエの練習をみっちりしているそうで、さすが芸術の都・サンクトペテルブルク育ちです。

 

プライベートでは4人兄弟の長男で、家事は何でもやれるイクメン系男子。
インスタグラムでは、面倒見の良いお兄さんである様子がうかがえます(…というか弟妹を猫可愛がりしていて、まるでお父さん…)。

 

真剣な表情と、真っ赤なりんごほっぺの笑顔が、ギャップがあってチャーミング。

(ロシア選手って、肌色がとても白いから、氷上では痛そうなほど顔が紅潮している選手が多いです…)

 

 

さてさて私がロシアフィギュア選手の大ファンになったのは、1998年長野オリンピックフィギュアスケートでロシア勢の活躍を目にした時から。

 

イリア・クーリック(男子シングル金メダル)の、王子様的外見と豪快で高さのあるジャンプ、正統派な滑りに魅了されましたが、アイスダンスで優勝したカップル、グリシュク & プラトフ組も実力がずば抜けていて、強烈なインパクトがありました。

 

 

イリア・クーリック 1997‐8エキシビジョン リスト「愛の夢」

ジャンプが決まった時の、女性観客たちの歓声(雄叫び)がなかなか強烈です…
 
 

パーシャ・グリシュク & エフゲニー・プラトフ 1998長野五輪フリー 

Michael Nyman 「Memorial」(映画「コックと泥棒、その妻と愛人」より)

アイスダンス史上初のオリンピック2連覇。アイスダンス界伝説のカップルです。

他の種目と違ってジャンプもないですし、なにより日本のアイスダンス選手が強くないために、国内であまりTV放映されません。正直、地味な印象の種目です…

 

…が、この2人の演技は驚くほどドラマティックなのです。

まさに「氷上のドラマ」と呼ぶにふさわしい二人だけの世界をつくりだしていました。

 

このプログラムは、怪我をして去っていったアスリートたちに捧げるレクイエムだそうです。胸にこみあげてくるものがあります。

 

パーシャ・グリシュク & エフゲニー・プラトフ 1998長野五輪エキシビジョン Madonna「You'll See」

 

 

当時のフィギュアスケートでは、今ほどジャンプが重視されていなかったので、クラシック・バレエを叩きこまれて育ち、美しい身のこなしとスケーティングが強みのロシア(旧ソ連)勢は、本当に図抜けて強かったのです。

 

余談です。

ロシアではなくウクライナの代表ですが、女子シングルのエレーナ・リアシェンコ選手は、IBMのCMに採用され、その透明な美貌が評判になりました。

妖精のようにお美しい…ただ溜め息です。

 

 

その後も、イリーナ・スルツカヤ(女子シングル)、アレクセイ・ヤグディン(男子シングル)などなど、数え切れないほど素敵なスケーターがフィギュアスケート大国ロシアから出てきました。

 

 イリーナ・スルツカヤ 2000エキシビジョン 映画音楽「シンドラーのリスト」

このプログラム大好きでした!

衣装も、音楽も、スケーティングも、すべてが調和して一つの物悲しい世界をつくりあげています。

スルツカヤ選手のジャンプは男子並みの高さがあり、迫力があります。

 

イリーナ・スルツカヤ 2000ショートプログラム 

音楽はChris Spheeris「Culture」をアレンジ。どこか日本的な音楽ですよね。

スピンやステップなど、彼女の強みが引き出された躍動感あふれるプログラム。これも大好きでした!

スルツカヤ選手は、長野五輪では長い髪をポニーテールにして民族衣装風コスチュームで登場。可憐で愛くるしい少女というイメージでしたが、その後結婚し、髪を短くして、一気に洗練された大人の女性になりました。

 

 

アレクセイ・ヤグディン 2002年ソルトレーク五輪 ショート Bond「Winter」

力強く熱い演技を見せてくれました。

何度も怪我に苦しんだ彼は、この五輪で金メダル獲得後、ほどなくしてプロ転向しました。

彼もサンクトペテルブルク出身。お母様は科学アカデミーの技術者だとか。

 

 

ペアではベレズナヤ&シハルリドゼ組が一押しです。

1998長野オリンピックでは惜しくも銀メダルでしたが、 次のソルトレークオリンピックで念願の金メダル。とてもエレガントなのに、コミカルであったりアップテンポであったり、多彩なプログラムを演じることができるんです。

 

エレーナ・ベレズナヤ&アントン・シハルリドゼ 1998NHK杯 フリー

エレガントな王道プログラム。

男性が女性を投げ上げるスロージャンプや、デススパイラルなどの大技も丁寧です。リフトも高い。

スケーティングが美しく、滑る音がほとんどしない二人だそうです。基礎的な技術の高さが華やかな技を支えているんだとしみじみ。

 

エレーナ・ベレズナヤ&アントン・シハルリドゼ 2002エキシビジョン 

チャーリー・チャップリン「キッド」:Charlie Chaplin – The Kid

コミカルなプログラムの代表作がこちら。ベレズナヤの男装がかわいい。

 

 

…と、際限なく続いてしまうので、現役のコリャダ選手の話に戻ります。
彼はジュニア時代には何回か大きい大会で優勝したのですが、シニアに上がる年に、試合中スケート靴に不具合が起きて途中棄権したり、練習中に大怪我をして何度も手術、丸一年以上休業することになったりと、つらい出来事が続いていました。

2015-16シーズンに復活、その年はグランプリシリーズで上位に食い込むなど大活躍でした。そのシーズンのロステレコム杯のエキシビジョン(↓)では、とっても楽しそうに演技を披露しています。

 

とてもいい笑顔です!

 

 

2016ー2017年にかけて(昨シーズン)は、気負ってしまったのか、痛みがぶり返したりしたのか…あまり上位に食い込めませんでした。


「皇帝」と呼ばれたエフゲニー・プルシェンコが引退して以降、ロシア男子は、世界選手権などの大きな大会で金メダルを取れておらず。

 

逆に、長野オリンピック当時には金メダルを唯一逃した女子シングルは、今や、メドベデワやラジオノワ、ポゴリラヤ、ザキトワなど、若くて強い選手が次から次へと出てきて、世界の頂点を激しく争っています。

 

エフゲニア・メドベデワ 2016エキシビジョン アニメ「セーラームーン」

少女漫画「美少女戦士セーラームーン」を基にしたエキシビジョンを演じた親日家…というかアニメ好き"Anime Otaku"で知られる選手です。

現世界女王。しばらく負けなしの安定した戦績で「絶対女王」とも呼ばれています。

このプログラムは、とても話題になりました。サービス精神が旺盛な選手です(笑)

 

 

女子シングル選手が圧倒的な強さを見せているので、最近のロシアでは、シングル男子に大変風当たりが強いそう。

 

彼が成績を上げてきているのはとても嬉しいのですが、周囲からのプレッシャーがすごすぎるのか、競技に復活した当時の、心からスケートを楽しんでいるような笑顔が最近少なくなってしまい、残念…。(むしろ深刻すぎて強張った表情をしているときもしばしば…)
 

ロシアスポーツ界はドーピング問題などで大揺れしており、いろいろ環境が厳しいと思いますが、今後も是非、のびのびとした演技を見せてほしいものです。 

 去年から1年間兵役にも行っていたようです。

大怪我を乗り越えて頑張っている前向きさ、見習いたいと思います!


ちなみに、今年のショートプログラム(1つめの動画)は、2006トリノオリンピックで銀メダルを獲得してプロに転向しコーチ&振付師をしているステファン・ランビエール(通称「ランビ様」)による振りつけ。

昨シーズンまでの陽気でユーモラスなイメージとは一転、エレガントで大人っぽい演技になりました。


ヨーロッパ選手権には出場することが確定しているので、オリンピックでも個人出場枠での出場に期待しています。

(メドベージェワはISUで「ロシア旗の下でないと出場しない」と演説してましたが、彼女の出場も一体どうなるでしょう……気になります)

 

 

趣味に走った駄文を書き連ね、好きな作品等をご紹介している自己満足サイトなのですが、この頃ありがたいことにアクセスが増えてきて(当社比です)、びっくりしています。

見て(読んで)くださっている皆さま、ありがとうございます!

 

今年も、先月くらいの、月7-8回の更新ペースで続けられたらと思っています。

 

2018年もどうぞよろしくお願いします。

 
2018/1/1 23:51加筆