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<「漢字の学習の大禁忌は作輟なり」・・・「作輟(サクテツ)」:やったりやらなかったりすること・・・>
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☆☆☆今年のテーマ :①漢検1級199点以上 ②好きな古代史の研究深化(古田説の研究) ③(非公開) ☆☆☆
★★★今年のスピリット:<百尺竿頭一歩を進む>&<百里を行く者は九十を半ばとす> ★★★
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●「帷牆」「帷牆の制」については、過去に既出の<語選択問題(高得点者向け)①>にて出題しているとおり、
帷牆(いしょう):ひきまくとかきね。近侍の臣妾をいう。
(他の国語辞典など)・侍女や近臣。また、そのいる所 ・君主の身近に仕えている臣下や侍女。 ・傍に仕えている臣下や侍女。
「帷牆の制」:君主が近侍の臣妾のために牽制されること
(他の国語辞典)【帷牆の制】君主が侍女や近臣に抑えられて 、その力を発揮できないでいること。
という意味だが、
●(漢検2)の「帷」に、「・・・②ひきまく。まんまく。「帷裳(イショウ)」・・・」(意味説明なし)とあったので、この「帷裳」と「帷牆」が同じ意味なのかどうか、気になったので調べた。
*結論からいうと、(漢検2)のこの位置づけ、つまり、②の意味のところの「②ひきまく。まんまく。「帷裳(イショウ)」」ということなら、帷裳=帷牆で良いようだ・・・。
●ただし、「帷裳」には、他の意味もあるので注意が必要。・・・漢検2が位置付けている意味の「帷裳」だけではないということ・・・
(大字源)
帷裳(いしょう): ①出仕また祭祀のときに着る服。縫い目がない。
②女性の車のとばり。幌。車帷。幃裳。
③はしたもの。帷墻。 ⇦(注)「墻」は「牆」の異体字。・・・この③の意味なら、「帷裳」=「帷牆」(=帷墻)となる。
●有名なのは論語の中にある「帷裳」・・・これは上記の①の意味・・・
(孔子・論語 郷党第十の六)「・・・帷裳(いしょう)に非(あら)ざれば必ずこれを殺(さい)す。・・・」
・この「帷裳」は、大字源の①の意味の「帷裳(いしょう):①出仕また祭祀のときに着る服。縫い目がない。」のこと。
・この文章は以前一部既出の、
「・・・緇衣には羔裘、素衣には麑裘、黄衣には狐裘。」につづく一節、「・・・褻裘は長く、右の袂を短くす。必ず寝衣有り、長(たけ)一身有半。狐貉の厚き以て居る。喪を去(のぞ)いては佩びざる所無し。帷裳に非ざれば必ず之を殺す。羔裘玄冠しては以て弔せず。吉月には必ず朝服して朝す。齋(ものいみ)すれば必ず明衣有り、布なり。・・・」(郷党第十)の中にある。
(以下、参考・・・ネット(論語ブログ)から一部抜萃借用・・・)
「緇衣には羔裘、素衣には麑裘、黄衣には狐裘)」・・・冬のころは、黒服のときはその上に黒羊の皮ごろもを着、白色の服のときはその上に白色をしている小鹿の皮ごろもを着ました。黄色の服のときはその上に狐の皮ごろもを重ね、色を合わしておられました。
*緇衣(しい):赤色を7回染めてできる黒色の、登庁のときに着る正装の朝服。
*素衣:白色の朝服。
「褻裘(せっきゅう)は長く、右の袂(たもと)を短くす」・・・普段着は長めに作っておられたが、右の袂は仕事がしやすいように短めでした。
*褻服(せつふく):普段着。常の服。
「必ず寝衣有り、長(たけ)一身有半(いっしんゆうはん)」・・・必ず夜着(やぎ)を使われましたが、その夜着は身長の1.5倍の長さでした。
「狐貉(こかく)の厚き以て居る。喪を去(のぞ)いては佩びざる所無し」・・・家に居られるときは、狐や貉(むじな)の厚い皮衣を着ておられた。喪が明けると、普段どおり帯に玉を佩びられました。
「帷裳(いしょう)に非ざれば必ず之を殺す」・・・帷裳は縫い目がないが帷裳以外の裳では、縫ってつなぐ。
*帷裳:登庁や祭祀のときに着用する裳(はかま)。前の三枚は縫い合わせ、左右の後は二枚ずつ縫い合わせ、腰に巻いて後ろで接するので、後ろから見ると四枚のようにみえる。しかし、前と後ろとの間や後ろ同士の間は、それぞれ縫い合わせていない。
*殺:裁と同じで、ここでは裁縫するの意味。
「羔裘玄冠しては以て弔せず」・・・・喪礼は白色であるので、黒色の皮衣・黒色の冠の姿で弔いにはいらっしゃらない。
「齋(ものいみ)すれば必ず明衣有り、布なり」・・・齊のときは沐浴して身を浄め、清潔な衣を身に着けられるが、その材料は布で作られていました。
*明衣:祭祀に参加し神明なるもの・神に交わるときの衣。
●「帷裳」と「帷裳の制」
・「帷裳」のことをネットでも調べていたら、漢検受検の大先輩でもある八重樫先生の「福島みんなのニュース」に出くわした・・・
・八重樫先生は、同ニュースで、『今週の名言』と『今日の四字熟語』を担当している由・・・
・経歴がすごい・・・「2001年に漢字検定1級合格。以来、2014年の検定まで30回合格」だって・・・この記事の時点では福島県漢字同好会会長の由・・・今は知らないけど・・・
・さて、その記事の一節・・・
「今日の四字熟語 No.947 【牛驥同皁】 ぎゅうきどうそう)」から・・・
「『史記』魯仲連・鄒陽列伝にある大変に長い上書文です。【牛驥同皁】を含んだ前後の文章の一部です。
今人主、諂諛の辞に沈み、帷裳の制に牽かれて、不羈の士をして牛驥と皁(ソウ))を同じくせしむ。・・・」とあった。
ここで、「帷裳の制」という言葉を発見した・・・
・最初、「帷牆」のマチガイじゃないかと思ったけど、上記のように色々と調べたら、「帷裳の制」でも良いようだということがわかった。
・でも、いろいろと調べていたら、この史記の原文らしきものでは「・・・帷“廧”之制・・・」となっているようであった・・・
(大字源)「廧」:ショウ 字義:①かき。かきね。同)牆・・・となっていたので、 「帷“廧”之制」=「帷牆之制」 ということのようだ・・・
👍👍👍 🐔 👍👍👍
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☆☆☆今年のテーマ :①漢検1級199点以上 ②好きな古代史の研究深化(古田説の研究) ③(非公開) ☆☆☆
★★★今年のスピリット:<百尺竿頭一歩を進む>&<百里を行く者は九十を半ばとす> ★★★
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●「帷牆」「帷牆の制」については、過去に既出の<語選択問題(高得点者向け)①>にて出題しているとおり、
帷牆(いしょう):ひきまくとかきね。近侍の臣妾をいう。
(他の国語辞典など)・侍女や近臣。また、そのいる所 ・君主の身近に仕えている臣下や侍女。 ・傍に仕えている臣下や侍女。
「帷牆の制」:君主が近侍の臣妾のために牽制されること
(他の国語辞典)【帷牆の制】君主が侍女や近臣に抑えられて 、その力を発揮できないでいること。
という意味だが、
●(漢検2)の「帷」に、「・・・②ひきまく。まんまく。「帷裳(イショウ)」・・・」(意味説明なし)とあったので、この「帷裳」と「帷牆」が同じ意味なのかどうか、気になったので調べた。
*結論からいうと、(漢検2)のこの位置づけ、つまり、②の意味のところの「②ひきまく。まんまく。「帷裳(イショウ)」」ということなら、帷裳=帷牆で良いようだ・・・。
●ただし、「帷裳」には、他の意味もあるので注意が必要。・・・漢検2が位置付けている意味の「帷裳」だけではないということ・・・
(大字源)
帷裳(いしょう): ①出仕また祭祀のときに着る服。縫い目がない。
②女性の車のとばり。幌。車帷。幃裳。
③はしたもの。帷墻。 ⇦(注)「墻」は「牆」の異体字。・・・この③の意味なら、「帷裳」=「帷牆」(=帷墻)となる。
●有名なのは論語の中にある「帷裳」・・・これは上記の①の意味・・・
(孔子・論語 郷党第十の六)「・・・帷裳(いしょう)に非(あら)ざれば必ずこれを殺(さい)す。・・・」
・この「帷裳」は、大字源の①の意味の「帷裳(いしょう):①出仕また祭祀のときに着る服。縫い目がない。」のこと。
・この文章は以前一部既出の、
「・・・緇衣には羔裘、素衣には麑裘、黄衣には狐裘。」につづく一節、「・・・褻裘は長く、右の袂を短くす。必ず寝衣有り、長(たけ)一身有半。狐貉の厚き以て居る。喪を去(のぞ)いては佩びざる所無し。帷裳に非ざれば必ず之を殺す。羔裘玄冠しては以て弔せず。吉月には必ず朝服して朝す。齋(ものいみ)すれば必ず明衣有り、布なり。・・・」(郷党第十)の中にある。
(以下、参考・・・ネット(論語ブログ)から一部抜萃借用・・・)
「緇衣には羔裘、素衣には麑裘、黄衣には狐裘)」・・・冬のころは、黒服のときはその上に黒羊の皮ごろもを着、白色の服のときはその上に白色をしている小鹿の皮ごろもを着ました。黄色の服のときはその上に狐の皮ごろもを重ね、色を合わしておられました。
*緇衣(しい):赤色を7回染めてできる黒色の、登庁のときに着る正装の朝服。
*素衣:白色の朝服。
「褻裘(せっきゅう)は長く、右の袂(たもと)を短くす」・・・普段着は長めに作っておられたが、右の袂は仕事がしやすいように短めでした。
*褻服(せつふく):普段着。常の服。
「必ず寝衣有り、長(たけ)一身有半(いっしんゆうはん)」・・・必ず夜着(やぎ)を使われましたが、その夜着は身長の1.5倍の長さでした。
「狐貉(こかく)の厚き以て居る。喪を去(のぞ)いては佩びざる所無し」・・・家に居られるときは、狐や貉(むじな)の厚い皮衣を着ておられた。喪が明けると、普段どおり帯に玉を佩びられました。
「帷裳(いしょう)に非ざれば必ず之を殺す」・・・帷裳は縫い目がないが帷裳以外の裳では、縫ってつなぐ。
*帷裳:登庁や祭祀のときに着用する裳(はかま)。前の三枚は縫い合わせ、左右の後は二枚ずつ縫い合わせ、腰に巻いて後ろで接するので、後ろから見ると四枚のようにみえる。しかし、前と後ろとの間や後ろ同士の間は、それぞれ縫い合わせていない。
*殺:裁と同じで、ここでは裁縫するの意味。
「羔裘玄冠しては以て弔せず」・・・・喪礼は白色であるので、黒色の皮衣・黒色の冠の姿で弔いにはいらっしゃらない。
「齋(ものいみ)すれば必ず明衣有り、布なり」・・・齊のときは沐浴して身を浄め、清潔な衣を身に着けられるが、その材料は布で作られていました。
*明衣:祭祀に参加し神明なるもの・神に交わるときの衣。
●「帷裳」と「帷裳の制」
・「帷裳」のことをネットでも調べていたら、漢検受検の大先輩でもある八重樫先生の「福島みんなのニュース」に出くわした・・・
・八重樫先生は、同ニュースで、『今週の名言』と『今日の四字熟語』を担当している由・・・
・経歴がすごい・・・「2001年に漢字検定1級合格。以来、2014年の検定まで30回合格」だって・・・この記事の時点では福島県漢字同好会会長の由・・・今は知らないけど・・・
・さて、その記事の一節・・・
「今日の四字熟語 No.947 【牛驥同皁】 ぎゅうきどうそう)」から・・・
「『史記』魯仲連・鄒陽列伝にある大変に長い上書文です。【牛驥同皁】を含んだ前後の文章の一部です。
今人主、諂諛の辞に沈み、帷裳の制に牽かれて、不羈の士をして牛驥と皁(ソウ))を同じくせしむ。・・・」とあった。
ここで、「帷裳の制」という言葉を発見した・・・
・最初、「帷牆」のマチガイじゃないかと思ったけど、上記のように色々と調べたら、「帷裳の制」でも良いようだということがわかった。
・でも、いろいろと調べていたら、この史記の原文らしきものでは「・・・帷“廧”之制・・・」となっているようであった・・・
(大字源)「廧」:ショウ 字義:①かき。かきね。同)牆・・・となっていたので、 「帷“廧”之制」=「帷牆之制」 ということのようだ・・・
👍👍👍 🐔 👍👍👍