皆さまcomment allez-vous?
年も明け、早いものでもう7日ですね~。いまだに正月休み気分が抜けず、脳みそが生煮えの餅みたいな私ですが、今年も交通事故と人間関係トラブルにだけは気をつけて、何とか平穏無事に、できれば小さなことでもいいので幸運に恵まれれば、と願っています。今年こそはいっぱい映画館とマツダスタジアムに行きたいな~。
DVDや録画で、結構映画を観てるのですが、スラスラとサクっと感想が書けないこれも加齢のせいでしょうか。師走じゃないけど、師走のボーギャルソン映画祭の最終回、今さらながらUPします
師走のbeau garçon映画祭⑥
「婚約者の友人」
第一次世界大戦後のドイツ。婚約者のフランツが戦死し、彼の両親とともに悲しみから立ち直れずにいたアンナは、フランツの墓前でアドレアンというフランス人の青年と出会う。フランツの友人だというアドレアンに、アンナは心惹かれていくが…
観たい観たいと叫び続けて、もう10年ぐらい経った気がするほど待望だった、フランソワ・オゾン監督✖ピエール・ニネ主演作と、ようやくお目もじが叶いました。同じゲイの天才、グザヴィエ・ドラン監督がギャスパー・ウリエルなら、オゾン姐さんはピエール・ニネでしょ!そのうちきっと、ニネっちにオゾン姐さんのお手がつく(起用される)はず!と思ってたのですが、ホントに、そして思ってたより早く実現して驚喜!
この作品を観てしみじみ思ったのは…オゾン姐さんもずいぶん変わったな~ということ。若かりし初期の頃の姐さんの作品は、かなり奇異というか、アクとケレン味が強くて、オサレ系のイロモノ映画っぽかったけど、人気と歳月が洗練と成熟をもたらして、解かる人、好きな人にだけウケればいい的な才気走りが影を潜め、この新作などがまるで往年のハリウッドのクラッシク映画のような優雅さ、格調にあふれていて、隔世の念を感じずにはいられませんでした。
戦争の傷跡や悲しみ、反戦メッセージ的な描写など、およそ今までのオゾン監督らしくない真面目さに、感嘆というより違和感、困惑を覚えてしまいました。何だろう、ビッチだったお嬢さまが、貞淑な奥様に変貌してしまった、みたいな。良く言えば、丸くなって万人向けになった。悪く言えば、守りに入って当たり障りがなくなった。オゾン監督の毒と意地悪さが好きだった私としては、オーソドックスで陳腐ともえいる内容やキャラ設定に、物足りなさを感じずにはいられなかった…のが、後半になってアドレアンの正体が判明した頃になって、やっとオゾン姐さんらしい小気味よい意地悪さが滲み出てきてニヤリ。フランツとアドレアンの関係とか、さんざん思わせぶりに期待させて、え!?でしたし。ポカ~ン&ガッカリ、な腐女子を見てププっと嗤ってそうな、オゾン姐さんの人の悪さが心憎いです。
あと、アンナのアドレアンへの恋の顛末も、悲しいとか切ないというより、若い女の勘違い、思い上がりを嘲笑うかのような意地悪さが。女に対するオゾン監督の冷徹さ、辛辣さが好きです。ラストのアンナとアドレアンの噛み合わなさって、ほとんど滑稽で笑えたわ。ビタースウィートな悲恋の皮を被せてるけど、その美しく薄い皮はよく見ればところどころにめくれていて、小さく醜い痣を発見してしまう、みたいな。おとなしくなった、上品になった、なんてのは韜晦!オゾン姐さんならではの意地悪さに気づいてそれを楽しむことこそ、この映画の醍醐味なのではなかろうか。ただの甘く切ない戦争悲恋もので片付けたら、かなりもったいないです。
意地悪さ、皮肉と同時に、「まぼろし」や「8人の女たち」など女性賛歌な佳作を撮ってきたオゾン監督らしい、女性への敬意や畏怖が、この映画でもあふれていました。時に男が気圧される強さ、情熱を見せ、悲しみを乗り越えてしがらみを捨て、しなかやに未来へと進むアンナの姿は、まさにオゾン監督が理想とする美しいヒロイン像でした。
アドレアン役は、いま最愛のボーギャルソンであるピエール・ニネ
ニネっち、やっぱトレビアンな役者ですね~モノクロ映えするクラシカルでエレガントな雰囲気、たたずまいにうっとり。そんじょそこらにいない、いや、芸能界や映画界にもいないような美しい容姿は、まさに人間離れしているのですが、ロボットや人形みたいな血の通ってない不気味なものではなく、ちょっとファニーで可愛いアニメみたいな顔なので、すごく親しみがもてるんですよね~。超絶イケメンなのに、そこらのイケメンより優しそうだし。ガラス細工のような繊細さで、アンナだけでなく観客の心もムズキュン。壊れそうだから守ってあげたいのに、そうさせてくれない距離感、冷ややかさが返って女心を刺激するアドレアンを、ミステリアスに優雅に演じてるニネっちです。カッコいいのにカッコつけた感が皆無で、オドオドしたりシュンとしたりしてる表情が、傷つきやすい少年みたいでホント可愛い!結局のところ、ただの自己陶酔型天然おぼっちゃんじゃん!なアドレアンは、美男なだけ、演技が巧いだけの他の俳優が演じてたら、イラっとムカっとするだけの男になってたかもしれません。自分勝手でアホな男も、悲しくデリケートな男に変えてしまう、まさにニネっちマジック!泳ぐシーンで、美しい上半身裸も披露してます。ドイツ語の台詞も頑張ってましたが、やはりニネっちにはフランス語が一番しっくりきます。フランス語は全然わかんないけど、ニネっちの美声フランス語には、うっとり聞き入ってしまう魔力が。
ヒロイン、アンナ役のドイツ女優パウラ・ベアの、清純さと芯の強靭さが同居した見た目と演技に好感。美女すぎないところも役に合ってました。
モノクロ映像も、新鮮で美しかったです。ところどころで(アンナの心象で?)ふわ~っと瑞々しいカラーに変わる手法も、なかなか巧みで印象的でした。パリの美術館にあるのマネの「自殺」という絵も、意味深に効果的に使われていました。
↑イケてるニネっち画像、集めてみました~
↑ニネっちの新作は、フランスの高名な作家を演じた“La promesse de l'aube”です。シャルロット・ゲンズブールがママ役!シャルロット、もうそんな役やるようになったんですね~…
↑オゾン姐さんの新作は、かつての寵童ジェレミー・レニエを再び主演に迎えたエロティックなサスペンス“L'amant double”です。手なんかつないじゃって!イケメン大好きな姐さんが、次に狙ってるのは誰?楽しみ(^^♪
年も明け、早いものでもう7日ですね~。いまだに正月休み気分が抜けず、脳みそが生煮えの餅みたいな私ですが、今年も交通事故と人間関係トラブルにだけは気をつけて、何とか平穏無事に、できれば小さなことでもいいので幸運に恵まれれば、と願っています。今年こそはいっぱい映画館とマツダスタジアムに行きたいな~。
DVDや録画で、結構映画を観てるのですが、スラスラとサクっと感想が書けないこれも加齢のせいでしょうか。師走じゃないけど、師走のボーギャルソン映画祭の最終回、今さらながらUPします
師走のbeau garçon映画祭⑥
「婚約者の友人」
第一次世界大戦後のドイツ。婚約者のフランツが戦死し、彼の両親とともに悲しみから立ち直れずにいたアンナは、フランツの墓前でアドレアンというフランス人の青年と出会う。フランツの友人だというアドレアンに、アンナは心惹かれていくが…
観たい観たいと叫び続けて、もう10年ぐらい経った気がするほど待望だった、フランソワ・オゾン監督✖ピエール・ニネ主演作と、ようやくお目もじが叶いました。同じゲイの天才、グザヴィエ・ドラン監督がギャスパー・ウリエルなら、オゾン姐さんはピエール・ニネでしょ!そのうちきっと、ニネっちにオゾン姐さんのお手がつく(起用される)はず!と思ってたのですが、ホントに、そして思ってたより早く実現して驚喜!
この作品を観てしみじみ思ったのは…オゾン姐さんもずいぶん変わったな~ということ。若かりし初期の頃の姐さんの作品は、かなり奇異というか、アクとケレン味が強くて、オサレ系のイロモノ映画っぽかったけど、人気と歳月が洗練と成熟をもたらして、解かる人、好きな人にだけウケればいい的な才気走りが影を潜め、この新作などがまるで往年のハリウッドのクラッシク映画のような優雅さ、格調にあふれていて、隔世の念を感じずにはいられませんでした。
戦争の傷跡や悲しみ、反戦メッセージ的な描写など、およそ今までのオゾン監督らしくない真面目さに、感嘆というより違和感、困惑を覚えてしまいました。何だろう、ビッチだったお嬢さまが、貞淑な奥様に変貌してしまった、みたいな。良く言えば、丸くなって万人向けになった。悪く言えば、守りに入って当たり障りがなくなった。オゾン監督の毒と意地悪さが好きだった私としては、オーソドックスで陳腐ともえいる内容やキャラ設定に、物足りなさを感じずにはいられなかった…のが、後半になってアドレアンの正体が判明した頃になって、やっとオゾン姐さんらしい小気味よい意地悪さが滲み出てきてニヤリ。フランツとアドレアンの関係とか、さんざん思わせぶりに期待させて、え!?でしたし。ポカ~ン&ガッカリ、な腐女子を見てププっと嗤ってそうな、オゾン姐さんの人の悪さが心憎いです。
あと、アンナのアドレアンへの恋の顛末も、悲しいとか切ないというより、若い女の勘違い、思い上がりを嘲笑うかのような意地悪さが。女に対するオゾン監督の冷徹さ、辛辣さが好きです。ラストのアンナとアドレアンの噛み合わなさって、ほとんど滑稽で笑えたわ。ビタースウィートな悲恋の皮を被せてるけど、その美しく薄い皮はよく見ればところどころにめくれていて、小さく醜い痣を発見してしまう、みたいな。おとなしくなった、上品になった、なんてのは韜晦!オゾン姐さんならではの意地悪さに気づいてそれを楽しむことこそ、この映画の醍醐味なのではなかろうか。ただの甘く切ない戦争悲恋もので片付けたら、かなりもったいないです。
意地悪さ、皮肉と同時に、「まぼろし」や「8人の女たち」など女性賛歌な佳作を撮ってきたオゾン監督らしい、女性への敬意や畏怖が、この映画でもあふれていました。時に男が気圧される強さ、情熱を見せ、悲しみを乗り越えてしがらみを捨て、しなかやに未来へと進むアンナの姿は、まさにオゾン監督が理想とする美しいヒロイン像でした。
アドレアン役は、いま最愛のボーギャルソンであるピエール・ニネ
ニネっち、やっぱトレビアンな役者ですね~モノクロ映えするクラシカルでエレガントな雰囲気、たたずまいにうっとり。そんじょそこらにいない、いや、芸能界や映画界にもいないような美しい容姿は、まさに人間離れしているのですが、ロボットや人形みたいな血の通ってない不気味なものではなく、ちょっとファニーで可愛いアニメみたいな顔なので、すごく親しみがもてるんですよね~。超絶イケメンなのに、そこらのイケメンより優しそうだし。ガラス細工のような繊細さで、アンナだけでなく観客の心もムズキュン。壊れそうだから守ってあげたいのに、そうさせてくれない距離感、冷ややかさが返って女心を刺激するアドレアンを、ミステリアスに優雅に演じてるニネっちです。カッコいいのにカッコつけた感が皆無で、オドオドしたりシュンとしたりしてる表情が、傷つきやすい少年みたいでホント可愛い!結局のところ、ただの自己陶酔型天然おぼっちゃんじゃん!なアドレアンは、美男なだけ、演技が巧いだけの他の俳優が演じてたら、イラっとムカっとするだけの男になってたかもしれません。自分勝手でアホな男も、悲しくデリケートな男に変えてしまう、まさにニネっちマジック!泳ぐシーンで、美しい上半身裸も披露してます。ドイツ語の台詞も頑張ってましたが、やはりニネっちにはフランス語が一番しっくりきます。フランス語は全然わかんないけど、ニネっちの美声フランス語には、うっとり聞き入ってしまう魔力が。
ヒロイン、アンナ役のドイツ女優パウラ・ベアの、清純さと芯の強靭さが同居した見た目と演技に好感。美女すぎないところも役に合ってました。
モノクロ映像も、新鮮で美しかったです。ところどころで(アンナの心象で?)ふわ~っと瑞々しいカラーに変わる手法も、なかなか巧みで印象的でした。パリの美術館にあるのマネの「自殺」という絵も、意味深に効果的に使われていました。
↑イケてるニネっち画像、集めてみました~
↑ニネっちの新作は、フランスの高名な作家を演じた“La promesse de l'aube”です。シャルロット・ゲンズブールがママ役!シャルロット、もうそんな役やるようになったんですね~…
↑オゾン姐さんの新作は、かつての寵童ジェレミー・レニエを再び主演に迎えたエロティックなサスペンス“L'amant double”です。手なんかつないじゃって!イケメン大好きな姐さんが、次に狙ってるのは誰?楽しみ(^^♪
ホント、独特の顔ですね、彼。カッコイイというか、ファニーフェイスって感じに見えます、私には。
でも、この映画では、マジでイイ男だったわぁ。
そうそう、前半は、オゾン作品にしては真っ当だなぁ、って感じでした。後半一気に、オゾン全開でしたけどね。
確かに、ちょっと意地悪な感じもしますよね。
でも、私はアンナ目線でずっと見てしまっていたので、アドリアンとの別れのシーンはイライラしましたわ~。
ったく、ええとこのお坊ちゃんのナル男なんぞ好きになったらたまったもんじゃありまへんな。
オゾン監督、にねっちそれぞれの次作品も楽しみ♪
初夢にニネっちが出てきてほしかった…
イケメン、美男は星の数ほどいるけど、ニネっちみたいなファニーフェイスはレア。フランツのニネっち、いい男でしたね♡
そうそう、前半はごくごく真っ当で、後半になってオゾン層突入って感じでした。アドリアンのナルシーなぼんぼん気質、ほんとイラっとしました。自分に酔い過ぎてる人って、イタいですよね~。
ニネっちは自殺したフランスの文豪役、オゾン監督はエロティックサスペンス。どちらの新作も楽しみですよね(^^♪
そんな風に翻弄されたのが快感っていうwさすがオゾンな一本でしたね。
ニネさんに慣れるにはもう少し時間がかかりそうだけど、確かにアドレアンを嫌味なく演じるのは誰にでもできることじゃないはず。
最後にポカーンとなって、やられた感を味わえたのも、ヒロインよりもニネ氏のおかげだったかもです。
後半になってやっとオゾンらしさが出て、ほっとしたというか。でも、前半の格調高さ、エレガンスも捨てがたいです。
ピエール・ニネ、かなり独特な顔なので、イケメン認定できない人も多いはず。彼の他の出演作も観てほしい!「年下のカレ」とかコメディの彼、めっちゃカッコカワいいです!