ヒマローグ

毎日の新聞記事からわが国の教育にまつわる思いを綴る。

同性婚の教員

2016-07-29 07:13:14 | 我が国の教育行政と学校の抱える問題

「どうしよう」7月23日
 『楽天「同性も配偶者に」』という見出しの記事が掲載されました。記事によると、楽天は、『多様な人材が働きやすい職場づくりを目指す』ために、『配偶者の定義を見直し、同性のパートナーを加える』ことにしたそうです。
 時代の動向を先取りした対応で、私は好意的に評価します。ただ、こうした動きが教委に求められたとき、どのように対応すべきか迷ってしまいます。子供の人権感覚を養う学校においては、他の企業や組織以上に、差別や人権侵害に苦しむ人の痛みに敏感であるべきです。また、実社会に近い存在であることが望ましいともされています。実際はともかく、教員の男女比率が同じであることが望ましい、とされるのもそうした発想に基づいています。
 ですから、A校の男性教員とB校の男性教員が、同性パートナーとして認めてほしいという要望を出してきたとき、教委としての対応は、現時点での制度、規則の範囲内でできることをし認める方向で動くべきだと考えます。
 しかし一方で、地域にもよりますが、市民や保護者の感覚は、まだそこまで熟してはいないと思われます。彼らの感情を無視してことを進めれば、大きな反発があることも間違いありません。私企業とは違い、公的な営みである公教育においては、トップの決断で済むことではなく、民意を無視することはできません。
 昨今のマスコミ報道を見ていると、全国のメディアが注目し、賛成派反対派が見解を発表し、実際に抗議デモや署名活動を起こす人々も現れるでしょうし、議会も割れ、それぞれが圧力をかけてくるでしょう。そもそも現状では、教委の幹部職員の間でさえ、見解の統一を得ることは難しいはずです。
 私が教委に勤務し、教員人事を所管していたとき、少なくとも私の耳には、LGBTの教員がいるという情報は入ってきませんでした。しかし、実際にはいたはずなのです。当時の時代の雰囲気が、LGBTの教員に声を上げさせるのを躊躇わせただけなのです。今は違います。人権教育を推進し、人権擁護の旗印を下すことができない教委は、そろそろ真剣に対応を考えておくべきです。

 

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