人一倍ならぬ、1.45倍顔の大きい心理カウンセラーの田川です。
私自身、学生や20歳代前半のころは、世の中の何事も知っているかのような、カッコつけの虚栄心バリバリ男でした。
22歳で就職して8年後、営業から国際事業部に部署替えした30歳のある日、突然、社長から
『タイへ行ってこい!』との指令が出されました。
今から18年前のお話です。
そして、ココに幸あれ主義だった私を180度、ゴロッと変えたのが、タイという国でした。
タイという国は、現在の私の中にしっかりとある
『心の豊かさを大切にする』
ことを教えてくれました。
ある日、女性の物乞いが子どもを抱えて歩道の脇にうずくまっていました。
タイの駐在員と歩いていた私は、ポケットにあった10バーツ硬貨を取り出し、女性の前に置かれた凹んだアルミ皿に入れようとしました。
『入れたらアカン!!』
駐在員が急に大きな声を出して、私をたしなめました。
『えっ!なんで??』
駐在員は私の腕をつかんで、そのまま通りすぎようとしました。
訳のわからない私は、振り返りながら女性を見ていました。
女性が抱えていた子供の腕がなかったので、余計に見てしまったのです。
通りすぎてから、私は駐在員に聞きました。
『なんで、お金をあげたらイカンの??』
『ヤクザに渡るから、アカンねん。あの子はわざと腕を切られてんねん。』
『えーーーーーっ! そうやったんか。。。。』
物乞いにも非合法な集団があって、若い女性に子供のセットで、目を潰して惨めな外見にしたり、手を切ってしまったりするのだそうです。
見た目を悪くすることでより多く稼げるようになるのだとか……。
可哀想だと思う心、それを商売にするのか?
自分は何故10バーツをいれようとしたのか?
可哀想だと思ってはいけないのか?
自己満足?
この事件から、私は『心とはなんぞや?』を真剣に考えるようになりました。
タイで学んだことはホント数しれず。
私が見て歩いたタイの人たちは貧しいだけの一面ではありませんでした。
彼らには自由になる時間がたっぷりあるように見えました。
写真に写っている女性(下の画像)の笑顔は日本では見たことがないくらい素敵でキラキラ光っていました。
私達は一見彼らよりも素敵な生活をしているように見えます。
でも僕らの多くは朝から晩まで働いていて、自由になる時間はあまりありません。
私たち日本人の多くはお金のために時間を売っているのだと思います。
お金が全然ないけど、自由で時間があるのと。
お金があって食べるには困らないけど、自由と時間がないのと。
タイの人たちは、私たちが持っていない大切なものを持っているように見えました。
私は機会があれば、必ず若い人たちに海外へ行きなさいと勧めます。
ツアーでも個人旅でもなんでもいいから一度日本から出なさいと。
そうすれば、人の心が少しわかるようになります。
1995年、タイ プラチンブリ県 ガビンブリにて。