新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

小池旋風が吹くのか

2017-09-27 15:09:20 | コラム
小池百合子さんを考える:

ここ数日間に小池百合子さんには希望の党設立の記者会見以前をも含めて、どれほど頻繁に脚光が浴びせられたかを考えてみると、彼女自身だけではなく希望の党すらも十分に宣伝広報活動を終えたと言って良いかも知れない。先ずは小池都知事は「今回の解散には大義がない」から入っていき、26日にはパンダの命名から始めてあの「リセット」の記者会見と進んでいった。

先ほどもジムから帰ってTBSの「ひるおび」とやらを見れば、伊藤惇夫、田崎史郎、北川正恭といった顔触れを集めて小池百合子論が展開されていた。私にとってはその内容は(どうでも良いとまでは言わないが)黙って聞いていれば、実質的には小池百合子さんの絶好の援護射撃であり、ひいては希望の党の宣伝広報にも等しい効果すら狙っていたのではないかとすら本気で疑っていた。

恐らくここ数日間は方々で希望の党がどれほどの議席数を獲得するのかという類いの予測がされるだろうし、あらためて小池百合子の人物像が語られるのではないかと、正直に言えば危惧している。と言うのは、それこそが小池さんの思う壺であり新党を無料で宣伝して貰えるのだから。それだけではない、都議会員選挙で何ら実態のない都民ファーストの会にあれほど票が集まったのは小池百合子さんの知名度であったし、小池さん自体が巧みな選挙運動だったと、私は思っているのだ。

恐らくあの時の人気と知名度は未だ衰えていないだろうし、一方ではあれほど非難を浴びている言うなれば無期延期にも似た豊洲への移転の時期も、地下水から検出された何ら具体的な害をもたらす訳でもないベンゼンの数値などを挙げて、私には無理矢理にとしか見ない手法で、延期を正当化してしまった。

私は未だに小池百合子さんの東京都知事としての行政手腕は未知数であると思っている。就任以来1年以上を経たが我々で悪ければ私にとって何ら「それは有り難い」と感謝したいような施策があったとは思えないのだ。石原慎太郎君だって「烏を減らし」、「デイ―ゼル・カーを排し」、「シルバーパスを¥20,510に値上げしてしまった」、「都の会計システムを複式帳簿に変えた」等の実績があったではないか。

私が小池さんのやることを見ていると先ず思い浮かぶのは「非常に直感力が鋭く、全体の流れと空気の読みに長けておられるので、その場その場で思いつくままに判断して直ちに実行に移す能力が極めて高い」のだ。だが、部下に任せておくことは苦手で、結局は「乃公出でずんば」となってしまう人なのだ。だからこそ、若狭氏や細野氏には任せておけずに“reset”となったのだろう。

次は、およそ権謀術数に長けておられ、理論的に局面を慎重に素早く読み切って作戦を立てる能力の持ち主だと見えるのだ。換言すれば、計算高いのだ。しかも、その場凌ぎの作戦ではなく、私が常に採り上げる contingency plan も周到に準備されその場に臨んでくるので、変わり身も早く簡単には失点はしないという巧みな戦術家ではないかということ。しかも、四方八方に顔を売っておく技術も兼ね備えておられるのではないかと疑う。その点は、昨日小泉元総理が都庁まで会いに来られた辺りに明らかではないか。

後者は余りにも褒め過ぎかと思うが、そこまでのタマだったら、自民党がむざむざと手放したのは何故かという疑問もある。尤も、離党届けを中々受理しなかったのは何故だろう。コインには裏表があるというから、自民党内ではその裏側を読み切っておられたのかも知れない。そして、もしも前者のような人物であれば、そこには女性独特の勘というか閃きも働くだろうから、対応する側は次にどの手で出てくるのかを読み切って事前に作戦を立てることが難しくなるだろう。

それはそれとして、希望の党をマスコミが取り上げれば取り上げるほど、小池さんにとっては計算済みであって、有利になっていく気がする。それではそれで割を食うのはどの政党かといえば民進党だろう。



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