新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

英語の挨拶は難しい

2017-08-06 10:38:46 | コラム
英語での挨拶における”see”と”meet”の使い分け:

渡部亮次郎氏主宰の「頂門の一針」第4436号に、読者の方から私にとっては極めて難しい問題であるseeとmeetの使い方の質問があって悩んでおります。そもそも、私は英語での初対面の挨拶を得手としておらず、何時も何と言えば良いのかなと迷っておりました。アメリカの会社の一員として社内の者か、社外の方にアメリカ国内で会う時にしか初対面の挨拶をすることはないので不慣れでした。

実際に何と言っていたかの正確な記憶はありません。何と言えば良いかと瞬間に迷い、何か口から出たままを言っていただろうという程度の記憶です。如何にどのように答えたかをほんのご参考までに紹介します。

恐らく、社内では“I am so pleased to meet (またはsee) you.”のような決まり切った形では言っていなかったと思います。精々“Hi, Good to see you.”くらいではなかったと思います。しかし、“Good to meet you.”とは言わなかったかと思うのです。これは何となく流れが良くないと思っていました。教えられたようなseeとmeetの区別をするようになったのは大分後年です。

ご指摘の本のこと(meetは初対面の時に使うと記載)は存じませんし、そういう区別を意識して話してはいませんでした。それと言うのも、私にとっては英語とは子供の頃から習い覚えた話し言葉であり、自然に口から出たままでしゃべっておりました。「何か言いたいことを考えてから言うな」と教えられていましたし、その通りにしていました。私は学者でも何でもなく、1994年1月末のリタイヤー後から、我が国の英語教育の素晴らしくなさが心配になって色々と論じ始めただけです。

何か逃げているかのような言い方ですが、旧制中学で英語を教えられ始めた頃と、話すことを教え込まれた時期がほぼ同時でした。中学ではキチンと文法も教えられ、上智大学では千葉勉教授に品格がある英語を厳しく指導されました。何度も申し上げたことですが、何かを考えてから英語で話すのではなく、自然と口から文法的にも品格的にも正調な英語が出てくるように心掛けてきました。また、1975年からは極端な表現をすれば、東京駐在であっても1年の3分の2は英語で話して仕事をする環境にありました。

仲間内の会話の表現では、何か打ち合わせでも終わった時に”Nice meeting you.”とは言いますが、何故か、”Nice seeing you.”とは聞いたこともなく言ったこともありません。余談ですが、”Nice talking to you.”では「語り合えて良かったな」とでもなるでしょうか。別れる時には、ほぼ”See you, later.”で、もう生涯会うことがないだろう人に初めて香言われた時には当惑しました。また、上海の地下鉄を案内してくれた見ず知らずの中国人の青年には”See you, later.”と言われましたが、違和感はありませんでした。彼はかなりチャンとした英語で、会話の相手を探しているような感じでした。

以上のようなことで、seeとmeetの厳しい使い分けは、申し訳ありませんが、考えていなかったと思います。言葉は悪いかも知れませんが、その場その場でのことです。そこで、大学の頃に経験したある挿話を紹介して終わります

それは、会話を担当していたアメリカ人の教授に、“arrive in”と“arrive at”の違いを尋ねた同級生がいました。答えは「どちらでも解って貰えるという点では同じ。そういう学問的のような細かいことにまで拘泥しなくても良いのではないのか。思い浮かんだままで話せば十分。だが、質問に答えれば、inの方は何処か広い地域に到着したこと、atの方が特定の場所を指す時に使う。例えば、“I arrived in New York at the JFK airport.”のように」でした。

何ともとりとめのない答え方でしたが、私の挨拶についてのエッセーであるとお考え下されば幸甚です。



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