新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

新宿の築地です

2017-06-18 08:20:27 | コラム
イスラム横丁観光ツアーに出会った:

17日に買い物の帰りにイスラム横町と渾名された路地で、異邦人たちに人気が高くなったきた水産物の小売店の前で、久し振りにイスラム横町観光ツアーの一団に出会った。案内人と思しき中年の男性がその店を「ここが新宿の築地です」と紹介したのには笑えた。確かに冷凍物を主力にお買い得な水産物から食肉類に加えて調理済みの食料品までを経済的な値段で売っている。

だが、私は家内と共に「それは違うだろう」と囁き合っていた。実は、我が家もこの店を便利に思って利用しているのだが、期限切れが迫りつつあるような品物を豊富に揃える傍ら、生魚もアメリカやヨーロッパの魚屋のように氷の上に向き出して並べて売っている面白い店なのだ。店員にも何処かのアジア系の若者がアルバイトと称して立っていることすらある。顔見知りの古参の店員は「何と言っても国際化の時代だから」と言っていたのも面白かった。

私に言わせて貰えば、この店の商法はかの「驚安の殿堂」のドンキホーテに似ていると思う。後難を恐れて言えば「何処かで処分しようと売り払った品物を安値で買い入れ、それらを市価よりもある程度以上安くして短期間に売り抜けよう」という商法であるから。故に、それを見たその場で買っておかないと「あれを買おう」などと翌日訪れても先ず入手できないことがしょっしゅうあるのだ。

17日は偶々トイレットペーパーとテイシュペーパーが同時になくなったので、最も経済的な値段で売っている我が家から徒歩20分の薬局まで暑さを顧みずに出掛けていった。これも後期高齢者の生活防衛の手段である。それを買い入れてから中間にあるアジア系の連中の御用達の業務スーパーに入ったが、土曜日とあっては5台もあるレジには長蛇の列。毎回思うことは「何故あの連中はあれほど大量に買い入れるのだろう」ということ。

その後に上記の水産物販売店に立ち寄った次第である。そこには前日に「これは美味いよ」と勧められてなるほど美味かった福井県産のタケノコの煮物は既に売り切れていたが、マルハニチロの「台湾風混ぜソバ」は幸運にも未だ残っていた。ここには常に型崩れの「明太子」や「鱈子」が格安で在庫されている。だからと言って築地などと呼んでは築地に失礼だろうと思う。

話は変わるが、テレビのニュースで大井町だったかで質流れ品の大廉売が採り上げられていた。そのニュースでも知り得たのだが、そこで最も多く売り出されていたのがルイビトンのバッグなのである。この手の大売り出しは京王デパートも定期的に開催されるので覗いてみたことがあるが、矢張り主力というか最も多いのはルイビトンのバッグ類である。

何故、あれほどルイビトンの製品が質流れに出るのかを考えてみた。あれは常に後から後から新製品というか、新しいデザイン(図柄というか絵柄)を出して新製品を買わせることを狙っているようで、古くなった旧製品を買い入れてある消費者が新製品を買うために、意図的に古物化された製品を売りに出すか質入れしていると疑っている。兎に角、行ってみれば解るが、見渡す限りルイビトンなのだ。

私はこの点で似たような商品政策を採っているのがユニクロだと見ている。それほど細かくこの世界的な衣料品販売業者の調査研究をしている訳ではないが、何点か買い入れたものが二度と店頭に出てきた例は極めて少ないと思う。兎に角その新企画品を売り切れば、それまでのこととして次なる同種の新製品を店頭に並べる政策であると思っている。現に、私がもう10年以上も良いデザインであると思って着ているストライプのワイシャツなどは、その後に店頭で似たような製品すら見たことがない。

私はこれらの理由から、ユニクロの販売政策にはルイビトンの影を見いだすというのだ。いや、巧みな政策であると思っている。要するに「如何にして、その製品を古物化させて新製品に買い手というか消費者を惹き付けていくか」が鍵を握っていると思う。ルイビトンを買っても生活防衛にはならないが、ユニクロの商品はそうなるのだ。私は気が付けば、下着類はほとんどユニクロになっていた。

因みに、「イスラム横町」とは羊頭狗肉の如きであると思う。カリフォルニア米と称する物まで売っているよ。


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