新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

5月21日 その2 あらためてトランプ大統領を論じれば

2017-05-21 17:39:40 | コラム
トランプ大統領の親父的感覚の統治に問題ありと見る:

昨20日は疲労気味で何か意義があるようなことを採り上げる意欲もなく、ボンヤリとテレビを観て過ごした。本日もBリーグのバスケットボールの準決勝戦、栃木対三河の大激戦から離れられずに延長戦まで惹き込まれてしまった。一時は19点も話された栃木がまさか延長というか優勝決定戦にまで持ち込んで勝ってしまったのは見事と言うしかないが、遺憾な点は得点の数が少なかったことか。

その結果、昨日悩まされた疲労の原因が解ったのだが、それは眼精疲労だった。バスケットボールが終わった頃には目に霞がかかったようで、とても巨人奴がDeNAに勝つところまで観る勇気もなく、久し振りに散歩に出て視力を休めることにした。その間に思いついたことが19日に論じたトランプ大統領の親父的感覚の統治で、あらためて視力(資力ではない、念の為)を整えて論じてみたくなったのだった。

それは18日のPrime Newsでデーブ・スペクターも「トランプ氏は自営の不動産業者の長だったから何でも自分の思う通りになっていた経営から離れられずに、大統領になっても自分の思う通りに振る舞っても良いのだと考えて行動しているようだ」と指摘したのは我が意を得たりと思っていたからだ。私はトランプ大統領はこのまま悪い方向に進めば独裁のようになりかねないと密かに危惧するものだ。それを誰が押し止めるのか?

私はアメリカの会社に転進する前には、国内の紙流通分野への販売も担当した経験があったので、多くの同族経営の有力な紙商にも知り合いが多く、そういう組織における創業者一族の社長、即ち「親父」がどれほどの絶対的な権限を持って経営しているかを目の当たりにしていた。。だからと言って「親父」が専横な振る舞いをしている訳ではないが、社員たちは親父に絶対服従で命令に逆らうことなどあり得ない世界だと承知していた。

絶対的な権限を持つ親父の下にある経営では、ごく一般的に長男が専務で社長を補佐する営業担当、次男がいれば総務と経理担当という具合だった。もしも男の子がいなければ女婿が後継者含みの専務という形が多かった。私は就任以前からトランプ大統領を見ていて、個人で不動産会社を経営する「親父的感覚の持ち主か」と思ったことが何度かあった。問題はそれが良いか悪いかよりも、その感覚で大統領になった場合にはそれこそ、彼が共和党の候補者に選ばれる前に、W社の元の同僚が指摘したように"disaster"になりはしないかと危惧したものだった。

事実、大統領に選ばれるや、本来はあり得ないことで女婿のクシュナー氏を自らの顧問に選任し、娘のイヴァンカさんまで大統領補佐官にまで起用するというトランプ商店の如くにしてしまった。この人事に異論を唱える世論もメディアもあったようだが、親父は聞く耳持たず毅然として(?)”Going my way”を貫いた。専門家の中にはシリアの空爆などはイヴァンカ補佐官の進言が採り入れられたと言う者もいた。

大統領にでもなれば、側近や閣僚たちの進言やブリーフィングを聞き入れて普通?の大統領に変わっていくこともあるだろうとも何となく期待していたが、そういう方式は中々採り入れられていない模様だ。デーブ・スペクター氏は「全く聞き入れておらず、自分の思うがママに行動するのでそれが衝動的に見える」としてしていたが、それ即ち「親父的感覚」の表れだとしか思えないのだ。

就任後100日以上を経た現時点では、誰しもが言う通り内政面では未だにワシントンDCの幹部級の官僚の入れ替えも完了していないだけではなく閣僚人事も停滞しているなど、多発した大統領令が執り行われないこととともに不手際が目立っている。外交面では現時点ではサウジ唐丹発の海外遠征に出るなど華々しく、親父感覚を十分に発揮して「偉大なるアメリカ」の演出に余念がないのは結構なことだと思う。

しかし、トランプ大統領が抱え込んだ外交面には対北朝鮮政策、対習近平率いる世界の超大国?中国、如何なる方向を目指すのか把握が難しいプーチン大統領のロシア、大風呂敷を広げで当選してきた文在寅新大統領の韓国等々、課題が多過ぎる。その辺りを軍人出身者と経営者と親族経営で如何に乗り切るかは大きな問題だろう。それ以外に忘れてはならないのが同盟国である我が国の扱いだ。

私は最初から懸念していたように「無知の力」を遺憾なく発揮するトランプ大統領は「我が国との貿易赤字が日本が悪いのだ」と思い込んでいるのだ。それは韓国の得意の台詞である「歴史認識の不足」に加えて、「アメリカが何故世界の何処の市場に向けても輸出が振るわないのか」と「何故アメリカの製造業者が敢えて空洞化して中国等に生産拠点を移したか」についてただ単に不勉強であったに過ぎないと敢えて断じたい。新USTR代表にライトハイザー氏を任命して古くて悪しき議論を蒸し返そうとするのは、ここでも敢えて言うが厚顔無恥である。

我が国は真っ向から堂々ともの申すべき国のリストに韓国の他にダニエル・トランプ商店(?)まで加えねばならないような事態は是非とも回避したいものだと思う。トランプ大統領の誤解と誤認識に対しては恐れることなく真っ向から訂正するような話し合いをするべきだ。



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