新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

一発キャッチ

2017-12-15 15:11:31 | コラム
花王の「クイックル」のCMだった:

阿部サダヲという私に言わせて貰えば奇っ怪な役者がいる。その阿部が「クイックル」のCMで「一発キャッチ」と叫んでいる。それはそれでそれなりに面白いのだが、カタカナ語排斥論者の私には「おかしな言葉を使っているな」としか思えないのだ。折角当たっているらしいCMをこき下ろすような野暮なことを言うが、英語として考えれば「キャッチとはしっくり来ないな」となってしまう。

そこで、何がしっくり来ないかをあらためて考えて見よう。それは、恐らく英語の世界ではゴミを「とらえる」とか「つかまえる」とは言わないだろうという感覚である。しかも、あのCMでは「一発キャッチ」されてしまうのは「ほこり」のようなゴミにしか見えない。それならば「ダスト」(=dust)だろうから、捉えたり捕まえたりはしないと思う。

では何と言えばしっくり来るかだが、私は「汚れを取り除く」のであれば精々 removeか get rid of ~ 辺りではないか考えた。事実、ジーニアス英和には remove には「汚れ、疑い、恐れなどを取り除く」という訳が出ている。だからと言って「汚れを一発リムーヴ」では全く様になるまいし、阿部サダヲを起用した面白さも消滅するだろう。

花王か何処かの宣伝広告会社が何をどう考えたかなどは知る由もない。だが、私のようなうるさ型に言わせれば「何でおかしなカタカナ語を使って罪なき一般の英語を勉強したい人たちを混乱させるのか」となってしまうのだ。小学校の児童たちも3年生から英語を学ばせられるのだから、「ゴミはキャッチするものだ」と思い込んでしまうのではないかと、要らざる心配をしている。

因みに、catch の英語での使われ方の一例を挙げておくと、外野手でも誰でも良いがフライ(fly ballと言うが)を捕る動作を、アメリカのアナウンサーは Ichiro makes the catch. のように言っている。なお、この阿部サダヲの芸名はその昔の阿部定をもじったものだそうだが、今時そんな事を言って通じるのだろうかと思ってしまう。



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