新宿少数民族の声

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10月13日 その2 トランプ大統領の考察

2017-10-13 13:29:35 | コラム
矢張りアメリカ人の選択は誤りではなかったか:

ここ暫くは小池マジックショーの劇場に振り回されていた感があった。そこで、アメリカの目を転じてみれば相変わらずトランプ大統領は、止せば良いのにとしか思えないTwitterでどんな些細なことでも、彼にとって気に入らない事案に出会うやいなや、あの短い文章しか使えない場面で過剰に反応し続けていたようだった。なお、掲題の意味は言うまでもなく、大統領の選択を誤ったのかを表している。

私はドナルド・トランプという方は、以前にも指摘したが、大統領ともなれば全知全能と言っても良いような全ての権限を与えられ、自らの意志と反射神経の赴くままに何をやっても誰も咎め立てしない地位に就いたと思っているとしか思えないのだ。しかも、その発する多くの大統領令なども、何かそれらの基となるような一定の原則か思想信条がある訳ではなく、その場その場で彼に降りかかってくる現象に反応しているかの感が濃厚だから始末が悪いのだ。

彼はこれも候補者であった頃から危惧してきたことで、「彼は何かもご承知で発言しているのか」または「政治・経済・軍事・外交等に全く無知で、無知であるからこそあれほど乱暴なことが言えるのかも知れない」か「実は森羅万象何もかもご承知でありながら、恰も無知であるかの如くに装って、言いたい放題であり好き勝手にアメリカどころか世界を統治する気なのか」と思わせる人物である。

しかも、自家営業の不動産会社は何とか統治出来ていたようだったが、就任から10ヶ月を経て未だにワシントンDCの中央官庁の幹部の選任を終了しておらぬだけではなく、側近を次から次へと入れ替えるし、彼を本当に支えるべき国務長官との間にもきしみを生じさせているという状態だ。発言にも一貫性に乏しく(小池百合子さんが真似たのかと思うほど)常に前言を翻すような傾向が顕著だ。余談だが、私の元の同僚にも友人にもトランプ大統領支持派は皆無だ。

私はこのように彼が言うところの“fake news”に毒されたのか、彼を批判する一方だった。だが、フロリダ州で引退生活を楽しんでおられる元アメリカの銀行に長年勤務された方は「トランプ大統領が就任後は株価も上昇し、失業率も低下し、活発な公共(設備)投資で景気回復策を着々と講じておられる」と、その功績を称える声もあるのを忘れてはなるまい。

しかしながら、何でも自分の思うようにするという考え方から離れられない模様で、目下報じられている件では“fake news”を垂れ流すNBCの放送免許を取り消すとまで言い出したのは、些か常軌を逸している。このような発言は言論統制になるとは考えないのか。また、彼自身が嘗てはNBCに出演していたのであるから、放送免許なるものをご承知でないはずがあるまいと思う。彼はアメリカ国内にNBCのネットワークに繋がっている局が幾つあるのか知らないとは思えない。余りにも短絡的な発言(Twitterでの発想?)ではないのか。

彼は候補者の頃から「アメリカファースト」を掲げてきたはずだが、かかることを平気だ言い出すことが「アメリカ第一」と矛盾しているとは考えたことがあるのかと疑いたくなる。また、アメリカに押しつけられたと言うべきかどうか知らないが、その憲法を我が国では後生大事に守ってきたと知らないはずはないのに、現在の対DPRK情勢を彼自身がその大部分を醸し出しておきながら、我が国の核武装を暗示するようなことを言うかと思えば、何時最終的な軍事行動を起こすかも知れないと匂わせたりする。

また、このところ頻繁に安倍総理との間で行った電話会談では「我が国が速やかに対DPRKの防御態勢を整えよ」と主張されたのだと語る専門家もいるのだ。しかしながら、候補者の頃には金正恩との対話も辞さないと言っていたのは綺麗さっぱりと棚上げの感がある。トランプ大統領のように言動がぶれまくれば、小池さんが「アメリカの大統領でさえ、あれほど豹変なさるのだから、私如きが多少前言を翻したり、行動が首尾一貫しなくてもも、小池教信者は受け入れる」とでも思ったのではと疑いたくもなる。

先ほど何処かの局でデーブ・スペクターが「トランプ大統領は何れは弾劾される方向に進んでいるのでは・・・」と言っていた。だが、良く考えないでも解ることで、この世界的に見ても難局に直面している時期にアメリカ大統領が不安定では非常に宜しくないのだ。安倍総理は「国難突破解散」と言われたが、まさかトランプ様がその国難の中にあると想定されてはいないだろうな。いや、そんなはずがある訳がないと信じている。



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