Stairway to Escher/Bauhaus | BLACK CHERRY

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JAZZ, BRAZIL, SOUL MUSIC

 Bauhausといっても、あの英国のバンドではない。Bauhausとは元々は20世紀初頭ドイツWeimarに設立された工芸、写真やデザインも含む美術と建築などを中心に人間らしい手作りで温もりのある手工業芸術の復活合理的機能的な近代の生産に取り込むことを理念とした造形学校。ナチスの馬鹿どもによってわずか14年で閉校に追い込まれてしまうが、そこから生まれた優れたデザインや機能性は現在でも多くの人々を魅了し続けている。本日ご紹介するBauhausはイタリアのバンドではあるが、Paolo Damianiという優れたベーシストを擁し、Saxとギターが前面に出た70年代らしい浮遊感のあるJazz Rockを聴かせてくれる。DamianiとギタリストのLuigi Calabrò、ドラムスのRino SangiorgioBuon Vecchio Charlieというバンドで活動していた。この3人にSax奏者Claudio Giustiと鍵盤奏者Alberto Festaを加えた5人組がBauhausである。残念ながらLive活動は続けながらも作品を残すことなく消えてしまったが、2003年に彼らの未発表音源がリリースされている。 PerigeoやArti e Mestieri、Nova、EtnaといったItalyの超一流どころにはさすがに比べるべくもないが、中々の力作だ。現在もJazzのFieldで活躍するベース奏者Paolo Damianiは別格としてテクニカルというより、ギターなど荒削りの演奏が洗練された楽曲にRock魂を注入しているところが彼らの個性である。

 

 『Stairway to Escher』はBauhaus74年Romaにある 'Festa Garage Studios'で行ったLive演奏を収録した未発表Recorded Live音源

アルバム1曲目は“The Lonious Gropious”。エレピ動き回るベースがカッコイイJazz Rockな演奏をバックにギターがThemeを弾き出し、Saxが後を追う。

Modulor”はAlberto FestaCoolなエレピLuigi Calabro無茶弾きのギターが好対照なのが面白いJazz WaltzClaudio GiustiSoprano Saxもイイ感じ。

Bijoux”は典雅なAlberto FestaのエレピとClaudio GiustiのSaxで始まるが、すぐさまリズム隊が畳みかけるJazz Rockに展開する。うねるベースと手数の多いドラムス、ギターのカッティングをバックに煌くエレピがイイ感じ。やがてベース・ソロになり熱が沈まるが、再び熱く盛り上がり最初の幻想的なエレピとSaxに戻るのが良い。

エレピに続きギターとSaxのUnisonによるThemeで始まる“Section Aurea”。Saxソロに続きギターの強引な弾き倒しが面白い。

タイトル曲“Stairway to Escher”は前曲同様にギターとSaxのUnisonで始まる。涼し気なエレピをバックに、ここでもギターとSaxが暴れる。SaxソロはFunkyなギターのカッティングとエレピをバックにしてFreakyに迫っている。

 Ri-Fusion”はWildにギターとSaxが吼えるJazz Waltz。相変わらずギターはAggressiveにガンガン弾きまくり、途中の4拍子になる展開部分ではPaolo Damianiのベースがカッコイイ。

最後を飾る“Tipi Di Topoi”。おや?これはA面3曲目“Bijoux”の再演であろう。Paolo Damianiのベースがやはり素晴らしい。

(Hit-C Fiore)