Live At Town Hall/The Blues Project | BLACK CHERRY

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JAZZ, BRAZIL, SOUL MUSIC

 The Blues Projectは後にBlood, Sweat and Tearsを結成するAl KooperSteve Katzが在籍していたという点で重要だが、実質はギタリスト/Singer/ComposerのDanny Kalbのバンドであったことを忘れてはならない。あのDave Van Ronkと活動し弟子でもあったKalbは、BluesとJazzの著作で知られる作家でMusicianでもあったSamuel Chartersとバンドを組んでいたこともあり、Son HouseSkip JamesMississippi John Hurtの影響を受けている。15歳の時に組んだバンドで若き日のBob Dylanとも共演し、63年にはDave Van RonkのRagtime Jug Stompersに参加している。ElektraGreenwich Village周辺のAcoustic Bluesを演奏する音楽家を集めて64年にリリースしたCompilation AlbumThe Blues Project 』に参加した後、KalbはギタリストのArtie Traum、ベーシストAndy KulbergとドラマーRoy BlumenfeldThe Danny Kalb Quartetを65年に結成する。Traumが抜けると、Even Dozen Jug Bandにいた、やはりDave Van Ronkの弟子筋のギタリストSteve Katzが正式メンバーとなり、SingerのTommy Flandersが加わると、いよいよThe Blues Projectとバンド名を変えて東海岸で名を知られていくBlues Bandの活動が始まるのだ。ElktraのCompi盤『What's Shakin'』でBlind Willie Johnsonの曲を“I Can't Keep from Crying Sometimes”として歌っていたAl Kooperが加わったThe Blues ProjectはVocalのFlandersが66年の1stアルバムにしてLive盤の『Live at the Cafe Au-Go-Go』で脱退してしまうが、『Projections』という傑作をリリース。Kooperが持ち込んだBluesのみならず様々な音楽的要素を取り入れたPsychedelicなJam Band的要素は当時としては進み過ぎていたのかもしれない。

 

 『Live At Town Hall』はThe Blues Project67年にリリースしたアルバム。タイトルとは違い実際にはTown HallでのRecoded Liveは1曲のみで他は別の場所(Stony Brook College)でのLive録音やStudioでのOuttakeに手を加えたものであった。結局Studio Albumは『Projections』1枚残したのみで、Kooperが脱退してバンドは崩壊。The Blues Projectは次作となる本作を含めて他はLive盤を残すだけの存在であったが、それでも個性のぶつかりあった演奏は稚拙で荒々しい部分はあるにせよ、当時の米国東海岸の音楽シーンの雑多で多様性に満ちた面白さを伝えてくれる。

Introductionに続いて名曲“Electric Flute Thing”で演奏がスタートする。このPsychedelicなJamは最高で、ベーシストAndy Kulbergが吹くFluteTripさせてくれる。

続いてはAl KooperのVocalで“I Can't Keep From Crying Sometimes”。アルバム『Projections』の1曲目であり、元々上述のCompi盤でKooperが歌っていたナンバー。Kalbの燃えたぎるようなギターが暴れまくるのが良い。KooperのHammondもPsychedelicな彩りを加えている。

疾走感に満ちたMean Old Southern”はBob Dylanも歌ったTradナンバー

No Time Like The Right Time”はAl Kooper作で、HammonとChorusがイイ感じのPsyhedelic Beat Popなナンバー。HammondのExoticでPsycheな感じが最高。

Love Will Endure”はGreenwich Villageで活動していたNative Americanの血を引くS.S.W.であるPatrick Skyの作品。VocalはSteve Katz

Where There's Smoke, There's Fire”はKooper作のHammond気怠いVocalが印象的なナンバー。

最後を飾る“Wake Me, Shake Meはお馴染みのイントロに続いて熱気に満ちた演奏が楽しめる。ここでもKalbのギター・ソロは最高である。

A Flute Thing/The Blues Project - 06-18-1967 - Monterey Pop

(Hit-C Fiore)