Al Borde Del Abismo/Alvacast | BLACK CHERRY

BLACK CHERRY

JAZZ, BRAZIL, SOUL MUSIC

 AlvacastUruguay80年代半ば~後半に活動していたHeavy Metal/Trash Bandである。 まあ、当然かもしれないが、Uruguayにもいたんですなあ、こういう激しい奴らが。学生の頃、Trash Metal Bandでドラムを叩いていたこともあって、一時結構この手は米国のPanteraあたりを中心に聴きまくっていたのだった。さて、Alvocastは、VocalのCharly D. LopezにベースのGustavo Rea、ギターのGustavo "Tycho" ArtigasClement "Bhilo" Lopez、ドラムスのJorge Villar5人組85年Montevideoで結成されている。残念ながらバンドは90年代にCanadaのMontrealに拠点を移してしまう。そしてVocalは英語で歌うようになってしまうわけだが、やはり彼らの魅力はスペイン語でHeavy Metal/Trashを歌うところでもあり、デビュー・アルバムとなる本作が個人的には面白い。さすがに音圧やVocalの線の細さが本場の迫力に満ちたTrashに比べて残念な感じこそあるが、演奏自体は負けていない。練り上げられた構成と緩急自在で巧みなリズム・チェンジと南米らしい躍動感も感じられるリズム隊と2本のギターのテクニカルなEnsembleが中々あなどれない。そこにスペイン語のVocalが加わり、楽曲もこの手のバンドに多い抒情成分多めの歌い上げ系のベタにならないところに好感が持てる。幻想的なインスト・ナンバー1曲を含み演奏はやはり南米のバンドらしく非常にレベルが高い。89年にリリースされた2ndアルバム『Inocente... Hasta Que Se Demuestre Lo Contrario』はより迫力を増した作品となっている。90年代にリリースされた『Black Testaments』は同作のVocalを英語の歌詞で録音したアルバムとなっているが、やっぱりスペイン語のHeavy Metal/Trashの魅力にはかなわない。

 

 『Al Borde Del Abismo』はAlvacastが87年Orfeoからリリースしたデビュー・アルバム。

アルバム1発目タイトル曲の“Al Borde Del Abismo”はいきなりアクセル全開でぶっ飛ばすHigh ToneでShoutするCharly D. LopezのVocalは、この手としては少々線は細いのかもしれないがギター・ソロが唸りを上げリズム・チェンジしながらテクニカルにキメまくるところは爽快である。

大仰な鍵盤のイントロで始まる“Madam Bathory”は抒情的なArpeggioがイイ感じ。すると、ギターRiffが始まりHardなShuffleが展開される。スリリングなギター・ソロも良し。

いかにもなRiffで始まる哀感に満ちたAmame Pero No Me Mates”はただひたすら突っ走るのではなく、Breakからツイン・リードのギター・ソロで中々聴かせてくれる。疾走感に満ちたリズム隊もお見事。

Synthesizerも加わった幻想的なイントロで始まる“Lago De Fuego”。重量級のギターRiffがカッコイイ。

Demasiado Cielo Para Tan Pocos Santos”も緩急をうまくつけた2本のギターのEnsembleがカッコイイMinor Tune。

Maya”は幻想的なArpeggioとSynthesizerで始まるInstrumental。リズム・チェンジで急速調になって怒涛のギター・ソロが展開される。緩急をうまくつけながら躍動するリズム隊にのった弾き倒しは爽快である。

Sin Tregua”はスピード感にのったガッツ入りまくったナンバー。

アルバム最後をシメるのはHardに突き進むRiffが激カッコイイShuffleCampos De Sangre”。シンガロングなサビもバッチリでこれはヘドバンかましまくりっすわ。

(Hit-C Fiore)