体育とスポーツの日記

                      石田智巳が体育・教育,そして運動文化論と運動文化実践(主にランニング)について書いています。

わかっちゃいるけどやめられね。

体育同志会60周年記念関東集会の模様

こんにちは。石田智巳です。

 

今日は,25日の日曜日に行われました学校体育研究同志会創立60周年記念関東集会の模様について報告します。

では,どうぞ。

 

この関東集会は,朝の9時半から,井の頭公園のそばにある明星学園にて行われた。

吉祥寺駅を降りて15分ぐらい歩くのだが,僕は往きはいいルートを通ることができなかった。

で,近くにローソンがあって,そこでお昼ご飯を買う。

そして,歩き出すと,なんと「3とも」工務店があったのでつい写真を撮る。

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明星学園はとてもきれいで,教室もゆったりとして木のつくりがとてもいい感じだった。

子どもたちは毎日駅を降りて,井の頭公園を通って通学することになる。

とても素敵なところだ。

 

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第一部は,関東支部の継承と発展ということで,5支部の代表の方が,30分程度の各支部の歩みと実践報告を行った。

支部の歩みについては,各支部とも若い先生が支部のベテランに聞き取りを行い,それをもとに報告が行われた。

どの支部も,いろいろな紆余曲折があって今に至っていることがよくわかった。

当時の社会状況や教育状況,あるいは教育条件については,あまり語られなかったが,支部を担った群像には,突き動かされる何かがあったのだろう。

何人かの方が,まさに組織を担うことで成り立ってきたということは本当によくわかった。

 

個人的には,千葉支部や神奈川支部の報告が印象に残った。

千葉支部は,68年に結成されるが,会員が県内に点在するという状況でなかなか例会を開催することが難しかった。

しかも,今世紀になると,会員の退職もあって活動は低迷していた。

しかし,松戸の若い教師たち3名が集まって体育サークルINGができる。

このサークルのよりどころとなったのが,体育同志会の理念であり,技術指導の考え方であったという。

体育同志会の綱領を読んで,それに賛同して同志会員になったというよりは,自分のたちの必要が体育同志会の指導の考え方にマッチするところがあったということだ。

 

神奈川支部も,やはり紆余曲折があり,今に至っている。

松尾さんの報告にみんな胸をうたれていた。

でも,なかなかうまくいかない理由がわかっているからこそ,反転される可能性もあるということだと思う。

口で言うほど簡単ではないのだが。

 

そして,実践報告だ。

個人的には(多分多くの人もそうだと思うが),山梨の堀江さんの報告がとても素敵だった。

堀江さんの報告は剣道の実践であった。

これがいいと思ったのは,実践をやろうと思った動機が明確であり,先行する実践報告や考え方を取り入れた実践となっていることだ。

センスがいいのは,山梨支部で学んでいるからだろうか。

それとも,彼女のセンスの良さなのだろうか。

「どっちも」ということにしておこう。

 

彼女は,体育同志会の柔道の講習に参加して,その指導の考え方が,合理的な身体の使い方を中心としたものだと知る。

それを剣道にも応用しようとしたのだ。

剣道については,故大塚先生の考え方に触れ,またお弟子さんの坂上さん(一橋大学)にも習い,さらに矢部さん(宮城)の実践に学んだという。

 

そして,面白いのが,礼,正座,蹲踞,構えなどの動きの意味について理解できるような,そうまさにそれらが持っている合理性などを追求するような実践が展開されたのだ。

女子中学生の実践なので,普通に正座,礼,素振りなどをやっても乗ってこないだろうが,工夫することで中学生を揺さぶる実践となったようだ。

報告は時間の都合で簡単になされたが,説得力のある報告だった。

是非,夏大会で聞いてみたいものだ。

 

しかし,この実践に注目すると,堀江さんにひどい宿題を出してしまいそうだ。

それは,つまり冬大会への道なのだが・・・・。

それは切りはなして考えよう。

 

もう一つはやはりというのか,神奈川の松尾さんの報告だ。

これも,実践報告というよりも,松尾さんの取り組みの考え方の紹介であった。

松尾さんも,体育同志会の実践,なかでも中学校分科会の先生方の実践に学んで実践しているという。

ペースランニングの授業,バレーボールの授業など,かいつまんでではあるが,なるほどと思わせる実践が報告された。

とくに,書かせることを取り入れることで,自分たちだけでは意見交流ができない女子中学生の思いをつなげていっているという。

松尾さんの課題は,それを自分だけの実践ではなく,体育科に広げることだという。

ここが難しいということは,想像に難くない。

特に体育の教員は,自分に割と自信がある人が多いだろうから。

 

時間があるならば,もっと聞いてみたい実践ばかりだった。

そうして,お昼休憩を挟んで,午後からは第二部である。

これは,運動文化論の過去・現在・未来ということで,村上さん,児玉さん,石井ちゃんの3名が登壇し,シンポジウム形式で行われた。

とはいえ,時間がなかったこともあり,シンポのようにはいかなかった。

でも,これも興味深い話であった。

 

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村上さんは70になんなんとする方だ。

この日のために,暮れ正月返上で取り組んだという。

体育同志会の研究の歴史を,丁寧に語ってくれた。

 

児玉さんは,定年まであと5年ぐらいだという。

高齢の方の参加も多かったこともあり,児玉さんはどちらかというと若い方になるのではなかったか。

自分史を語ってくれた。

 

石井ちゃんは30ぐらい。

若いがしっかりした発言であった。

特に,若者の置かれている状況や,彼らのニーズをよく知っている。

だから,学びを組織すれば若い人が集わないわけではないという。

また,体育同志会の中で,ともすれば同志会実践なるものにこだわり,それから外れると認めにくい風潮があることも指摘していた。

彼らのニーズに合わせるのか,同志会的な型に若者を合わせるのか,という問いかけだったように思う。

未来に向けたいい話であった。

 

ここから場所を吉祥寺駅のそばのホテル東急innに移す。

駅までの道は,井の頭公園を通った。

僕の頭の中は,中村雅俊が唄う「俺たちの旅」が流れている。

「夢の旅路は~,コバルト色の空と海・・・・,ものなのです~」

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そして,懇親会だ。

乾杯までの長い話(登壇者が多かった)に耐え,ようやくビール,そしてワイン。

ビールは黒ラベル

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顔は映っていないが,後ろは星野さん。

星つながりだ。

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この方は,埼玉の池田和夫さんといって,なんと50年代の浦和の体育の頃の方だ。

そして,僕は「仲間づくりの体育」という1961年の本を持っている。

そこに,池田さんが書かれたグループ学習の実践記録が載っているのだ。

この本はある意図があって買ったのだが,それについてはまた別の機会に述べたいと思う。

 

楽しいひとときを過ごすことができた。

帰りは,新幹線で堤さんと丸山さんと一緒に帰った。

次は,5月9日に60周年記念の全国集会が大阪で開かれる。

13時から,上本町のホテルアウィーナで開催される。

 

そして,8月1日から夏の全国大会,大阪みのお大会へとつながっていく。

2月21日と22日(土日)には,関西近畿ブロック集会もある。

それぞれが楽しみだ。

 

 

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