曲学阿世:真実を追求し、虚実の世間に迎合するようなことはしたくない。

真実を曲解し不正な情報によって世間の人々にこびへつらい、世間にとり入れられるような、ことはしたくない。

安倍暴政放置して地獄見るのは国民自身

2017年05月05日 15時36分49秒 | 政治経済、社会・哲学、ビジネス、

                                  

                「植草一秀の『知られざる真実』」

                             2017/05/04

             安倍暴政放置して地獄見るのは国民自身

               第1733号

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日本国憲法が施行されて70年。

国民が敗戦後の新生日本70周年を祝賀すべき日である。

その先頭に立つべき首相が真逆の対応を示した。

憲法には改正の条文があるから、改正をタブー視する必要はない。

安倍首相は9条を改憲して自衛隊の位置付けを改変すること

高等教育の無償化を定めること

などを提言したが、羊頭狗肉のトリックに騙されてはならない。

安倍政権による憲法改定には断固阻止の姿勢を崩してはならない。

なぜなら、安倍自民党は憲法改定案をすでに示しており、憲法改定の目的がすでに明示されているからだ。

安倍自民党の憲法改定案は、日本国憲法の根本原理そのものを改変しようとするものである。

「国家転覆」

の企てと表現して差し支えない。

国家転覆を企てているのだから、

安倍自民党こそ

「破壊活動防止法」上の

要監視団体に指定するべきである。

日本国憲法の根本原理とは、

平和主義、基本的人権の尊重、国民主権

である。



安倍自民党が提示している憲法改定案では、

平和主義が放棄され、

基本的人権が制限され、

国民主権が否定される。

日本を「戦争をしない国」から「戦争をする国」に変える。

基本的人権は不可侵の権利ではなくなり、一定の制約下でしか認められなくなる。

そして、

「国民のための国家」が「国家のための国民」に転倒させられる。

まさに、国家転覆を企てるものであり、

「憲法改正」

の範疇を超える。

初めは差し障りのなさそうな条文から手を付けて、

憲法改定が走り出せば、隠していた牙を剥く。

このシナリオが目に見えている。

敗戦後日本を敗戦前日本に引き戻す。

これが安倍首相の狙いである。



自民党憲法改定案が敗戦後の新生日本を転覆するためのものであることについては、

拙著『「国富」喪失』(詩想社新著)

https://goo.gl/s3NidA

第3章「国富を守るために、いま、なすべきこと」

に記述した。

自民党憲法改正草案

を熟読すれば、自民党憲法改定案が国家転覆の構想であることが分かる。

安倍政権の悪質さは、メディアを完全支配して、虚偽情報で国民を誘導している点にある。

この点はすでに戦前とまったく同じである。

重要なことは、国民が賢くなることだ。

メディアの情報に誘導されない。

真実の情報を探り出し、自分の目で見て、自分の頭で考えることだ。

手遅れにならないようにするには、選挙で勝利することが必要不可欠だ。

日本の主権者に真実の情報を伝達して、次の総選挙で暴走政権を退場させる。

これが何よりも重要だ。

「きょうぼう罪」を創設するなら、安倍政権のような「凶暴な」政権の存立を許さない「凶暴罪」を創設して、憲法を破壊する政権を排除することが望ましい。



安倍自民党が提示している憲法改定案は、日本の国家を転覆する企てである。

日本国憲法の基本原理である

国民主権

平和主義

基本的人権の尊重

の破壊を目論むものである。

破壊活動防止法の監視団体に安倍自民党を認定するべきである。



拙著『「国富」喪失』に要点を記述したが、

「国民のための国家」を「国家のための国民」に改変する

ことを示す象徴的な条文改定が自民党改憲案第102条に示されている。

第一〇二条 全て国民は、この憲法を尊重しなければならない。

現行憲法では、第99条に次の条文がある。

第九九条 天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。

憲法は権力が暴走しないための砦であり、憲法の尊重、擁護義務を「天皇および摂政および公務員」に課している。

これを自民党改憲案は、

国民に課している。

大日本帝国憲法には、上諭に以下の規定が置かれた。

臣民ハ此ノ憲法ニ対シ永遠ニ従順ノ義務ヲ負フヘシ。

つまり、自民党改憲案は日本国憲法を大日本帝国憲法に引き戻すものである。



平和主義も放棄される。

現行憲法第9条は次の条文で構成されている。

第九条  日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。

二 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。

安倍自民党はこの第9条をどのように改変しようとしているのか。

自民党改憲案は第2項に以下の条文を置く。

2 前項の規定は、自衛権の発動を妨げるものではない。

ここにある「自衛権」は個別的自衛権と集団的自衛権を含んでいる。

名実ともに、日本は「戦争をする国」に改変されるのである。

さらに、第九条の二として、国防軍が明記される。

第九条の二 我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全を確保するため、内閣総理大臣を最高指揮官とする国防軍を保持する。 

2 国防軍は、前項の規定による任務を遂行する際は、法律の定めるところにより、国会の承認その他の統制に服する。 

3 国防軍は、第一項に規定する任務を遂行するための活動のほか、法律の定めるところにより、国際社会の平和と安全を確保するために国際的に協調して行われる活動及び公の秩序を維持し、又は国民の生命若しくは自由を守るための活動を行うことができる。 

4 前二項に定めるもののほか、国防軍の組織、統制及び機密の保持に関する事項は、法律で定める。 

5 国防軍に属する軍人その他の公務員がその職務の実施に伴う罪又は国防軍の機密に関する罪を犯した場合の裁判を行うため、法律の定めるところにより、国防軍に審判所を置く。この場合においては、被告人が裁判所へ上訴する権利は、保障されなければならない。


安倍首相が述べた9条の改定とは、このことを念頭に置いたものである。

「平和主義=戦争放棄」

を全面的に破壊するものである。



基本的人権の位置付けが全面的に改変される。

その象徴は、現行憲法の第97条が全文削除されることだ。

第九七条 この憲法が日本国民に保障する基本的人権は、人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果であつて、これらの権利は、過去幾多の試練に堪へ、現在及び将来の国民に対し、侵すことのできない永久の権利として信託されたものである。

日本国憲法の二つの支柱は、基本的人権の尊重と平和主義である。

日本国憲法は、基本的人権を、

「現代および将来の国民に対し、侵すことのできない永久の権利として信託されたもの」

と規定したが、この条文が丸ごと削除される。

自民党改憲案が「国家転覆」を企てていることは、第13条の改定案でもよく分かる。

現行憲法は、

第一三条 すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。

としているが、自民党改憲案では次のように変化する。

第一三条 全て国民は、人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公益及び公の秩序に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大限に尊重されなければならない。

安倍自民党の改憲案では、

基本的人権が、

「公益及び公の秩序に反しない限り」

でしか認められないのだ。

これも、大日本帝国憲法が、たとえば

「言論著作印行集会及結社ノ自由」

について、

第二九条 日本臣民ハ法律ノ範囲内ニ於テ言論著作印行集会及結社ノ自由ヲ有ス。

と規定していたことと通じる。

つまり、基本的人権を、

「侵すことのできない永久の権利」

として全面的に認めるのではなく、

国家が、

「公益及び公の秩序に反しない限り」

という制限を設けて、限定的に「与える」ものでしかない。

完全に「上から目線」の「権利の付与」なのだ。



国民が賢くならないと凶暴な政権はさらに暴走を加速させる。

その暁に不幸に突き落とされるのは、間違いなく国民自身である。

すべての主権者がメディアの洗脳から脱却して、真実を知り、正しく権利を行使してゆかないと手遅れになる。

そのための闘いを全面的に広げてゆかなければならない。

              



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