行雲流水

阿島征夫、一生活者として、自由に現代の世相を評す。時には旅の記録や郷土東京の郊外昭島を紹介する。

東芝の悲劇再びか?

2015-07-05 22:04:18 | Weblog

1966年頃だったか東芝は経営危機に陥り、三鬼陽之助が「東芝の悲劇」を書いてベストセラーになった。当時の財界総理石坂泰三東芝会長が石川島播磨から土光敏夫を招き東芝の再建を図った。歴史に残る有名な話だ。最近の報道、「東芝の不適切会計問題は利益の減額修正幅が5年間で1500億円を超す見通しとなった。不適切処理が近年常態化していた背景には、予算達成へ向けたトップの強い圧力があったようだ。関係者によると、毎月の定例会議では予算未達の事業部門が厳しく追及され、現場が無理を重ねる要因となった。第三者委員会もこの点を注視しているもようで、田中久雄社長ら経営陣の責任を問う声も出ている」(日経)から、再び経理部門に定評のあった名門会社に危機が訪れているとしか思えない。

リーマンショック後、パナソニック、日立、ソニー等とリーディングカンパニーが危機に陥り、身を削るリストラで再建しようとしている折に、今度は東芝がという感がある。東芝のトップ佐々木副会長、田中社長はリーマンショックをようやく乗りきったが、業績に於いて日立の再建で差がつけられ、売上げ(東芝6兆5000億、三菱4兆3000億)でははるかに差をつけている三菱電機に営業利益では2900億対3100億で引き離され、時価総額では三菱の半分強に甘んじている。経営トップに業績回復への焦りが不正経理という結果を招いたのだろう。

詳しいことは今後の第三者委員会で解明されるが、最初インフラ部門の550億の不正経理と言われていたのが、電力計、半導体などに拡がり本日の報道では1500億円になっている。東芝が米ウエスティングハウス社を買収し、原子力部門の強化をはかった時には世界一の原発メーカーになるのではと期待された。ところが福島原発の事故は世界の原発メーカーにショックを与え、フランスの名門アレバも経営危機をむかえ、政府の援助を仰ぐ事態だ。ウエスティングハウス社の経営状況はどうなのだろうか?東芝の経営に直接影響するだけに心配だ。東芝の連結グループには20万人弱の従業員が働いており、連日の報道に固唾をのんでいることだろう。


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