何だかんだで日本のキャンプ用品は夏のみを対象にした製品が少ない。そんなことない!とか思われるかもしれないが、手元のテントだとかシュラフを調べてみれば、その使用時期は「3シーズン(春夏秋用)」とか書かれているのではなかろうか?

 結論からいうと、日本のメーカーのテントは、思ったよりも寒さに対して対応できるテントを作っている印象であり、特に山などで扱うテントにおいてこの考え方は全くもって正しい。

 だが日本を出てみると、別にこうしたテントが主流ではないことに気付かされる。特に年中暑い地域において、テントは寒さ対策としてのシェルター的な要素は全く必要ないのである。

 そのため暑さ対策をしているテントにあっては「如何に風通しを良くするか」といった点が重要視されており、要するに周囲から丸見えのアミアミメッシュテントの割合がかなり高いのだ。


 さて自転車旅行者の人達は、走る地域をなるべく夏の時期を選んで行く。別に寒くても良いのだが、雪が降ってしまうと動けないし、私は夏に走るのが大好きだ!しらんがな。

 新しいテントが来るまで代用していた中華製メッシュテントは、6000円テントらしく様々な点でちょっと足りてない残念なテントではあったが、全面がメッシュタイプだった。これを使ってみたところ、驚く程に内部に熱がこもらなく快適な夜が過ごせるたのであり、新しいテントでは是非ともメッシュタイプのテントを選択しようと思っていたのだ。


 前置き長いな。そんな事情もあって今回私が選んだのがMSR社の「エリクサー2」である。当初は同社の「ハバハバ」というタイプを考えていたのだが、同様のコンセプトでありながらニューモデルのエリクサーは値段が安い!そりゃあ私もこちらを選ばせて頂きますよ。

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 全回復しそうな名前

 制作会社がアメリカ製なのが関係してるのか、183cmの私が横になっても室内壁に触れることがない広い空間が嬉しい。そして東西南北及び天井に敷き詰められたメッシュの数々、フライシートを掛けずに寝た場合テントの中から星空を見つつ寝ることができるロマンチスト仕様である。

 2本のポールが1対になっている不思議な形のポールを使って設営するのだが、慣れるまではポールの開く方向へと上手くテントを引っ掛けることができずにこんがらがったりする。特にポールを組み合わせるメリットが思い浮かばないのだが、何でこんな面倒なタイプにしたのかしらん?

 地味に嬉しいのが出入り口が2カ所あるという点。これに伴って、フライシートを被せた時にできる前室も2カ所存在する。ペグを打たないと前室が確保できない造りなのは残念だが、自転車に付けてる大量の荷物も広い室内と2つある前室によって全て内部に収容できる点は大きい。

 幾つか気になるところもあるが、総じて非常に満足度の高いテントとなった。あと海外ではあんまり意味ないことだが、何だかんだで国内ではMSRユーザーは少ないので、「テント被り」が発生する可能性が少ないことは嬉しいね。そのちょっと特殊な構造と多角形の形をしたテントは、テント村で見かけたら目を引く存在になると思う。目立つの好きな人は買えばいいと思うの。

 でもやっぱり海外メーカー。支給されてくる収納袋は大きすぎて容量余りまくりである。ここら辺、私はきちっと畳まないと入れることができない日本製品が好きだ。

 グラウンドシートまでワンセットで4万円切り。この手の商品、普段はAmazonにて注文することが多いのだが、キャンプスターというサイトから3000円くらい安く購入できた。通販サイトも色々探してみるもんである。
 



 <世界半周終了時感想>
 後で知ったのだがMSRのテントは割とポールが折れるという悪評があるらしい。それは真実なのかは置いといて、私のエリクサーもニュージーランドで収納途中に強風に吹かれポールが折れることで使用不可能となってしまった。
 
 まぁ200泊以上使ってたことを考えると経年劣化の可能性がないでもないが、ちょっと勘弁してくれよ!という気持ちになってしまうわな。
 
 強度以外の点では本当に不満の少ない使いやすいテントだったので、なんとか直して使えるよう色々調べてみたのだが。海外で部品だけを送ってもらうとかそういう手間と苦労を鑑みると直接購入してしまう方が何かと都合がいいとは思う。これは先進国に限った話かもしれないが。