メキシコ44日目 サン・ファン・デル・リオの町〜メキシコシティから北北西に約60km テペヒ・デル・リオ・デ・オカンポの町
昨夜23時過ぎに出場から帰ってきた消防署の皆様は、疲れていたのか朝7時になっても誰も起きる気配がなかった朝。私1人こっそりと仮眠室を抜け出しキッチンにて朝食を作る。
徐々に起き出した職員たちと挨拶を交わしつつ、私も出発準備をば。とはいえテント泊でない場合、荷物を取りまとめて自転車に積み込むだけの簡単作業だ。本気出せば15分で終わる作業であり、テント泊だと1時間くらいは必要なことを考えると楽勝だと言わざるをえない。
お礼を言って出発しようとしたのだが、お土産という意味なのか大量のお米と豆を頂いてしまう。いきなり訪れて泊めてもらった挙げ句に食料まで貰ってしまうとか、どんだけ消防署は親切なんだよ?足向けて眠れないな。
流石にメキシコシティの標高くらいは調べているのであり、どう考えても標高稼ぎすぎではなかろうか?といぶかしむ暇もなく登り続ける坂・坂・坂。
最初の急登を越えた後もダラダラと緩い斜面で上がり続けるのであり、手元の高度計が面白いように数字が増えていく。私自身はちっとも面白くないが。
なお標高は2575mまで稼いだのだが。どうせなら今まで自転車で訪れた最高地点(乗鞍岳・畳平)である2700mを超えて欲しかった。ゆっくり登ってるからあの時より随分余裕あるのだし、自らのレコードを更新するチャンスだったのに・・・とか思いつつ。
ところで坂道を上っている時というのは、自分で思っているよりもガンガン高度が加算されている印象だ。逆に下り坂を駆け抜けている時は、思ったほど数字が減っていかないと感じる。
私はこの原因が「集中力」にあるのではないかと考える。坂を上ってる時なんて速度は遅いし疲れてるしで、自転車に乗ることに対して集中していないため、気づいたら距離走ってた(上っていた)ということに。
それに対して下り坂は気を抜くと大怪我もままならない危険性がある関係上、集中しながらの走行を求められる。そのため体感的には濃密な長い距離を走ったつもりが、案外下っていない・・・というのがこの違和感の正体ではなかろうか。
とりあえずテペヒ・デル・リオ・デ・オカンポという、やたら長ったらしい町へと到着し当然のように消防署を訪ねる私。まさか仕事してた時より頻繁に消防署訪ねたりしてないよな?
テント張る許可いただいた後にお買い物。新しい町に到着するということは、ある意味スーパーへ行くということだと思っている。多分自転車旅行者ほど各国の市場やスーパーの形態に精通した旅行者はいない。どうだろうか。
日記書いて寝ようとしたところで職員さんが「お前の寝床を作ったからこっちで寝ろよ」と申し出てくれる。テント張って眠る姿が哀愁を誘ったのかしらん?
こうして今日も防火衣庫(つっても分かんねーか)のマット上で眠る夜。私のメキシコでの日々は、消防職員の皆様によって支えられています。
2017年2月10日(金) 走行距離93km 累計57214km