小規模個人事業者の差別化要因の現実

http://ameblo.jp/kubo-management-consul/entry-12244158271.html

↑中小企業庁長官賞受賞論文の原文を公開中です。

今回は続きです。

2. 小規模・個人事業者の差別化要因の現実
コモディティー化（市場の成熟、技術の標準化などにより、似たような商品が量産されることで起きる現象。どの事業者の商品やサービスも同様の機能を備えているため、購入者は、より価格が安い商品を求めるようになり、価格が下がる傾向）の進展の中で、小規模・個人事業者の差別化戦略は必ずしも想定通りの成果を挙げることが難しくなっている。
ポジショニング分析等、事業者があらゆる角度から差別化要因を見出して実行したとし
ても、必ずしも消費者にとって魅力ある差別化に達しているとは言い難い。「どんな」「どのような」差別化であれば消費者に受け入れてもらえるのだろうか。
例えば（図表３）は、神奈川県鎌倉市のカフェレストラン（以下、A店：詳細は図表４））の近隣立地飲食店の差別化要因を調べて整理したものである。その上でA店が意識して差別化している要因と、実際に来店している消費者の方々の感じるA店の特長を「○」で囲んでいる。

（図表３）

（図表４）
ご覧いただくとわかる通り、A店が意図し差別化している要因と、来店客（消費者）の感じる特長に乖離があることが理解できる。実際、皆様の支援先で確認いただくと実感することもあろうと思うが、このような現象は、多くの小規模・個人事業者の小売店や飲食店で発生しており、想定通りの差別化が出来ていない現状を物語っている。
また、外部環境が目まぐるしく変化する中で、来店客のニーズ（トレンド）を追いかけ適応し続ける努力も、経営資源が乏しい小規模・個人事業の方々には現実的では無い側面を日々の支援で実感している。

＝＝久保正英プロフィール＝＝
≪株）シンプル・べジ代表取締役≫
サラダで美味しい自然栽培の春菊を中心とした季節の御野菜を食卓に届けています。
食の最大の社会課題である「生産と消費の分離」を解決するために、自らが模範となるべく精進しています。
≪一般社団法人エコ食品健究会代表理事 / 経済産業省登録中小企業診断士≫
加工食品企業や飲食店のマーケティング戦略立案（商品・販路等）と実行支援を直近3年で56社に実施。応援されて集客（応援客獲得の販促や商品化）できる仕組み（売上を獲得する仕組み）が好評で、ロッテ・湖池屋・カルビー・大阪前田製菓・イトーヨーカ堂・明治製菓・三河屋製菓、東海氷糖・パイン・カネフク製菓・三幸食品・尾崎食品・フクイ・富士屋あられ・カネタツーワン・ユニバース・ヤマザワ・平和堂・天満屋ストア・サミット・日生協・新潟ゆのたに等の支援実績を公表している。
≪主な著書≫
「お客様が応援したくなる飲食店」になる7つのステップ(同文舘出版)
飲・食企業の的を外さない商品開発(カナリア書房)
≪主な委員歴≫
『逗子市地域資源全国展開事業委員（2016年～』
『農水産物の環境情報表示の在り方検討会(農林水産省2014年～)』
『CO²の見える化　消費財分科会（環境省～2013年）』
≪主な受賞歴≫
2016年　中小企業庁長官賞受賞（中小企業経営診断シンポジウム）

2014年環境省奨励賞（第3回カーボンオフセット大賞社）エコ食品健究会）

2013年中小企業診断協会会長賞（中小企業経営診断シンポジウム）

2012年　フード・アクション・ニッポン販売促進・消費促進部門入賞（社）エコ食品健究会）

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