その日はシノンは張り詰めたような空気を纏っていた。
シノン城の衛兵は完全武装で街を歩き
城門は、昼間だというのに半分しか開けられていない。
一般市民でも、解るほど……
この街で何かが起きようとしていることは明白だった。
「騎士が張り切っていますね……誘拐チップが3枚なのですが……
どうなっているんでしょう?」
とりあえず、盗賊ギルドに来いってさ」
「フクロウに齧られたら、耳に穴が開きそうだな……ま、とにかく盗賊ギルドに行こう」
あなた達が入って来たのを見るとソファーを勧めるわ」
ま、今回は関係ないけどね」
とりあえず、あなた達の調査はフクロウで見てる。
お陰で、誘拐をしていたファラリス信者達の強制捜査の情報を得ることができて、関わっていた盗賊ギルドのメンツを引き上げることができたのよ」
「盗賊ギルドだしなぁ……でも、利益を出したからそっちの情報をくれるんだろ?」
まずはあなた達の母親は、シノン城に幽閉されていることがわかったわ」
邪神の生贄といえば純潔な処女と相場は決まっているわ」
暗殺犯は?」
「闇賭博もどうやら、領主が裏情報や盗賊ギルドに息がかかっていない冒険者を集める口実だったみたい。
まあ、バレたら弱みになるから闇賭博を主導していた連中はシノンから追い出したみたいね。
いま、この街で闇賭博を仕切っているのは、追い出した連中の下で働いていたチンピラね。
これもあなた達の情報収集でわかったことだけど」
「法律にもよるんでしょうけど『責任ある』貴族の娘を攫って逃げた。
人道的には、満足でしょうけど……
その貴族が無くなったことでどれだけの人が幸せで無くなったのか……」
彼女は、彼女自身の責任を果たさなければならないの……
それでもーー」
父が死んでいるので、元の生活に戻ることは無理でしょうが……
家族として救いたいと思っています」
多少の後ろめたさがあったのかもしれないな……
上手く領主を説得できれば、母親を返してくれるかもしれないぞ?」
「いや、今回の生ける証拠があれば、シノンの領主をクビにできないかなぁ……と」
辺境の地方の領主ということだし、国家規模の司法機関に今回のことを持っていけば、できなくはないな……
まあ、司法機関があればだけど」
王都へ行って、直訴しよう!」
「……確かに実力行使で母を救い出すのは難しい……ですよね?」
「(GMの目論見としては、兵士が出払っているうちに侵入を考えていたんだろうけど……)」
「(助け舟が必要だな……ただ、PCの発言を全面的に否定するのは心苦しいなぁ……)盗賊ギルドの幹部が発言するよ……
王都へのつなぎを付けてもいいが、確実にシノン領主がやったという証拠が欲しいな」
首謀者を捕まえることはできないから、首謀者を摘発するにたる物証が欲しいな」
「首謀者のとこにいるおっかさんを助けて証言させなきゃいけないってことね?」
しょうがない!
おっかさん助けますか!」
「どうなったのか
説明してください!」