December 14, 2014

常識とか制約に挑戦する人々

2014年も残り少なくなってきました。


この時期になると、今年を振り返るような特集がメディアを賑わせます。このブログでは、今年もいろいろな自転車の話題を取り上げました。ただ、取り上げられなかったものも無数にあります。その中からデザイン面を中心に、今年ネット上で見かけた自転車、注目された自転車をピックアップしてみたいと思います。

街で見かける自転車のほとんどは、定番ダイヤモンドフレームです。トップチューブがホリゾンタルからスローピングかといった違いはありますが、オーソドックスなものがほとんどでしょう。しかし、新しく開発される自転車は、新規性を出すために、今年もいろいろと意欲的なデザインが発表されています。

viksviks

こちらは、エストニアのエンジニア、Indrek Narusk さんがデザインした自転車です。最近のカーボンなどの素材を使った一体成型ではなく、スチールパイプによるものですが、シートチューブのない現代的なフォルムを実現しています。高品質な鋼材と加工技術の向上によるものなのでしょう。

AscotAscot

イタリアのオートバイメーカー、Italjet社の電動アシスト自転車、“Ascot”です。レトロなオートバイを模したフォルムで、ビンテージな雰囲気を醸し出しています。わざわざ未来的なデザインとは逆方向にしたデザインが、むしろ顧客を惹き付ける面があるのでしょう。

CYLO1CYLO1



こちらの“CYLO1”は、軽量なフレームに強力なヘッドライト、シンプルなペイントなど、シティサイクルに求められる要素を集約してデザインされています。特徴的なフレームに、それほど斬新さはありませんが、ライトなどは、あらかじめフレームに組み込まれています。

Burly Bike for the Big CityBurly Bike for the Big City

これも個性的なシティバイクですが、シート後ろのサスペンションは、都会の道路の段差に対応するためにデザインされています。市街地の舗装は必ずしも平滑とは言えず、時にオフロードと同じくらいの凸凹があるという主張が、丈夫なフレームとサスペンションを装備させています。

Festka ZeroFestka Zero



こちらのフレームの形は普通ですが、フレームに描かれたイラストが異彩を放っています。“Festka Zero”と名づけられたこのバイクは、北米ハンドメイド自転車ショーで発表されました。一台9千ドル近い値段も、製造工程と手書きのイラストを見れば納得です。

AnalogOne.OneAnalogOne.One

こちら木の自転車、形はオーソドックスですが、木の質感が上品で高級なカスタムバイクとなっています。芸術品と言ってもいいくらいでしょう。乗る人の寸法に合わせてカスタムメイドされます。5千ドルという値段は、決して高くないと言えるでしょう。

E-FlyerE-Flyer

レトロなオートバイかと思えば、ペダルがあります。アメリカ・カリフォルニア州ロサンゼルスのコーチビルダー、Iconがデザインした電動自転車です。特にアメリカでは、電動アシスト自転車に、こういったデザインも受け入れられるのかも知れません。

LeaosLeaos



こちらはイタリアでハンドメイドされている電動アシストバイクです。これをカッコいいデザインと感じるかは意見の分かれるところだと思いますが、素材にはカーボンファイバーを使い、機能は未来的です。実用的な都市型のデザインは、あのヴェスパ・スクーターと同じチームによるものだそうです。

Levitation bikeLevitation bike

シートポストがないことで斬新なフォルムになっています。サドルが一体で、トップチューブにまたがるような形です。スタイリッシュなのは認めますが、コンセプトモデルとは言え、実用的でないのは明らかでしょう。停止するときはどうするのでしょうか。

ArvakArvak

24枚の層を持つ積層トリネコ材で出来ています。シートチューブのない斬新なデザインは、見た目のインパクトがあります。ただ、シートポストもなく、こちらも、とても乗りにくいように見えます。ふだん自転車に乗らない人、詳しくない人が作ってしまったように見えてしまうのは私だけでしょうか。

Shoulder BikeShoulder Bike

工業デザイナーによるコンセプトモデルは、とてもスタイリッシュで未来の自転車の雰囲気満点です。ダウンチューブやシートステー、チェーンステーもないフレームは斬新です。「担げるバイク」というコンセプトですが、スポーツバイクなら、それは普通のことで、そこにこだわる必要があるのかは疑問です。

EpoEpo

オランダのデザインウィーク2014で発表されたデザインの名門大学、“Design Academy Eindhoven”の卒業生、Bob Schiller さんによる設計です。前輪も後輪も、片側からしか支えられていません。クルマをつくる技術を流用したアルミのスポット溶接でフレームを製造しています。

DubikeDubike



中国のgoogleと言われる、「百度」が自転車市場に参入することを表明し、新しいスマートバイクを提案しています。自転車に独自のOSを搭載し、ネットに接続して、いろいろな機能を使うことが出来るというものです。シートチューブを省くのは、最近の流行なのかも知れません。

24K Gold Extreme Mountain Bike24K Gold Extreme Mountain Bike

こちらのマウンテンバイクの値段は、百万ドル、約1億2千万円です。24金やブラックダイヤ、サファイヤ等が使われています。百万円では驚きませんが、1億2千万円となると、これはもはや乗るのではなく、宝飾品の世界でしょう。この自転車に乗って、サラリと駐輪する人を見てみたいものです(笑)。

毎年、斬新なデザインが発表されますが、実際に店頭に並ぶのは、オーソドックスなダイヤモンドフレームばかりです。結局、それが一番リーズナブルということでもあり、なかなかそこを変えるのは難しいと思いますが、従来の発想を覆すようなデザインの誕生、そしてその挑戦には、来年も期待したいものです。




あらかじめ予想された結果とは言え、なんでもかんでも信認されたと強硬されるのが懸念されるところですね。

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この記事へのコメント
1億円越えのマウンテンいいですね!!
これに乗って山を颯爽と走りたいです!!
Posted by ぶらいんどけーぶ at December 15, 2014 23:13
ぶらいんどけーぶさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
本当に乗ることは想定されていないような気もしますが、どんな乗り心地でしょうね。
Posted by cycleroad at December 16, 2014 23:21
 
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