バイト感覚のタレント活動
そこそこ仕事をもらっても
専属のジャーマネ
テッシーが居る限り
俺の給料から 彼に何割かの
『お世話になってます』料が
支払われてる
スムーズに仕事が出来る様
従事してくれているんだから
当たり前っちゃ
当たり前…なんだけど
向井さんに渡す金
どう工面すっかなぁ…
思ったほどの稼ぎは無く
普通のバイトの方が
効率はいいのかも…
そんな 懐事情で悩み凹む
本日の俺
エキストラ的ガヤの仕事
スタンバイ待ちで
スタジオ隅で待機中
ぼんやり周囲を眺める
スタッフと談笑する女の子
用も無いのに
うろついて 叱られてる奴
そして
「 賢太郎君 この後予定とかある? 」
俳優さんに ナンパされてる俺
「 さぁ?テッシーに任せっパで
全然 把握してないんですよ
明日も学校だし 」
へらへら笑って答える
誘いを断る口実を並べて
「 今日のディナー付き合ってくれたら
好きなモノ 買ってあげるよ 」
…居るんだぁ 時々
「 どうしよっかなぁ… 」
若いタレント数人誘って
本命女子を安心させ
おびき寄せる
姑息な手法
噛ませ犬…ってやつ?
「 …お金でもいい? 」
バイトと思えば 良心は痛まない
俳優さん 現金要求に
何が可笑しいのか 酷く笑ってら
「 そう言うとこが 良いねぇ君は
…いくら欲しいの? 」
具体的な話になって
少し及び腰になる
黙って指を3本出すと
少し間があって
「 OK 商談成立
終わったら 私の楽屋においで 」
そう言って 握手を求められる
…なんだか 急に不安になった
――――――