「 向井さん 今日
頼んでた件 お願い出来る? 」
突然何を言い出すのかと思えば
飯食ってる最中に
このゲーノー人
「 放課後 迎えに行くんで
俺の事 待ってて欲しい 」
…それは つまり
「 俺 今日は金 持ってるよ 」
キラキラした笑顔で
ギンギンな目を向けて来るんじゃないよ
こいつが俺の前に現れる目的
言われてたから
分かっていたけど
…ゲーセン(5千)出すから
フェラしてよ…
あの時の光景が 頭をよぎる
折角の飯が
「 …不味くなるだろ 話題換えろや 」
この年齢は
それしか頭にない奴ばっか
相馬も 隙あれば二人になりたがる
こいつら
俺の事何だと思ってるんだ
…そもそも 何で俺なんだよ
一気に失せた食欲
折角サービスで付けてくれた
ポテサラも
食べる気にならず
箸を止めた
「 ダメだよ向井さん
あまり時間 無いんだから
ほら サクサク食べないと 」
そう言うとゲーノー人
俺の皿から から揚げを取ると
タルタルをつけ
「 ほら あ~んして 」
口元へ寄こしてきた
…なにぃ?
思わず フリーズする脳内
「 あ…早く食べないと
タルタル 垂れちゃう…
ほらぁ 向井さん 」
こいつ そうだった
始めて 教室来た時も
人の目気にせず キスして来た
突飛なんだ 行動が
規格外なんだ
非常識なんだ
だから
差し出された から揚げ
見ると今にも垂れそうな
タルタルに
思わず 口を開く
と
差し込まれた
わざとなのか?
ゲーノー人が
差し込んだ から揚げ
口に収まらないデカさで
もごもごと
半開きの口のまま
下品な食べ方をしてしまう
見るとゲーノー人
してやったり顔で
ニヤつきながら見てやがる
そういう視線 すげぇ嫌だ
「 タルタル ついてるよ 」
俺の唇を 親指で拭うと
その指を 音を立てて舐めた
あぁ…もう…
限界かも
「 あのさぁ… 」
そもそも こいつを食事に誘ったのは
話すべきことがあったからで
このタイミングもどうかと思ったが
切り出した
「 金とか 要らないから
俺に会いに来るの止めて 」
ゲーノー人の
動きが止まった
―――――――
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