ブレス if -XXX-Ⅹ vol.157『風景』 | ラテックスは妄想中

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暴走ギミな妄想をチラカスBananaです。
甘味世界を目指し オリジナル小説書いてます。
腐 要素 多くなってきちゃいました。苦手な方ご注意ください。


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『彼』目線



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バスローブ姿の 濡れた髪で


部屋のドアを開ければ



廊下に立つ ホテルスタッフが


一瞬 間を取って 笑顔になった



微笑み慣れた 男の笑顔


その手元付近に 視線落とせば



ワゴンに乗っているのは 注文の品だろう


保温か 埃避けか


取っ手のついたカバー


 中身の確認は出来ない





― 中で配膳いたしますが?―



『俺』が 


ドアから離れないから


中に入れないって 事なのだろう



一瞬 カレはまだ バスルームだったっけ?と


室内振り返り



『ああ…はい じゃぁ…』



そう言って ドアから離れ


部屋の中へと 戻れば



― 失礼いたします―


背後で スタッフの声



『俺』は ベットの上


足元で丸まってる カレの服


拾い上げ クローゼットのハンガー


取り出しながら



室内に入ったスタッフが


テキパキと 大きな窓に設置されてた


テーブルの配置換えをして



二人分のメニュー


テーブルに 並べる様を


見るともなく 眺めたていた



カチャカチャと 作業音のみの


静かな室内



浴室で 水を流す音さえ


 聞こえる静けさに



思わず スタッフの顔へ


目を向けた『俺』



―…今日は大変天気が良く


 あちらの公園 の緑


 眺められる様 配置しました―



何か話さなきゃ…って『俺』の気配


察したのか


スタッフから振られた話題


言われる先の眺めに 目を向けると



緑化進む風景 



『あぁ…本当だ いい眺めですね』



この部屋に入って 数時間


今更な眺望の感想



心ここにあらずな返答 口にして



ランチの準備進む 


テーブルサイドに立ったまま



然程興味のない 外に目を向けていれば



―こちらは 夜景も絶景ですよ―


そう言って



―ご注文の品は 以上になりますが―



テーブルの上 確認済みに 念をおされ


『…はい』



間違いはないと 答えれば

―それでは こちらにサインを―



振り返れば


 注文内容書かれた紙と ペンを渡され



客室№ 記載された横の空欄に 


立ったまま サインをする



いつの間にか 水音止んでる浴室


カレの事 気にしつつ


『俺』一人で こういうやり取り


初めてだなぁ…とか 考えながら


紙とペンをスタッフに返せば



―それでは 失礼します ごゆっくり―


そう言って



頭を下げた スタッフ


颯爽と 部屋を出て行った



 オートロックの扉


閉まる音 聞いてから



内鍵を掛けに 出入り口へ向かえば



様子窺っていたとしか思えないタイミングで


カレが 浴室から出て来た




他人と会うの嫌なら


バスルームにでも隠れていれば…って


冗談で言ったの 本当に実践したカレ


見つめれば



『俺』の視線 まるでシカトしたまま


外に向いて設置されてる椅子を眺め


自分の目当ての皿


手に取りやすい方の椅子に 座った