Spinoff 239》Short | ラテックスは妄想中

ラテックスは妄想中

暴走ギミな妄想をチラカスBananaです。
甘味世界を目指し オリジナル小説書いてます。
腐 要素 多くなってきちゃいました。苦手な方ご注意ください。

 



あくまでも


カメラマンを挑発しての発言

だと

分かっているから


男の娘が

何を言っても


その言葉の半分も

鵜呑みにはしない


けど


こんな風に


いざこざの駒にされて


間に挟まれるのは

どうにも不本意で



無駄に触れてくる

男の娘の手から


身を引いて

後ろへ逃れば


それは

男の娘にとって


想定した反応だったのか

 

そのまま

襟元の直しは切り上げ


下げた視線


胴に二巻きした帯に


男の娘の手が伸びる



帯と浴衣の間


指がようやく一本入る

隙間に

挿し込まれた指


左から右に


滑らせるように動かし


ぎゅうぎゅうに締めた

本人の手で

帯と浴衣布との間に


あそびを確保しながら


逃げて離れた距離分だけ


帯の隙間に

差し込んだ指で グッと


引き戻された体



「あれ?…この帯は

 思った以上に

 弛みやすいなぁ」



指一本で引っ張った帯


予定より 弛んだのか


男の娘が やれやれと


「まぁ いいか

 どうせ そんなに長く

 締める必要もないだろうし」


安易に

ゆるんだ帯


直すつもりは無いとばかり



「そもそも

 買取目的の用途には


 充分 対応してるでしょ?

 

 それとも

 脱がすのが

 簡単すぎるの


 逆につまらないかな?」

 


カメラマンに向けての

あからさまな絡む


物言いに


ギョッとしながらも



言われっぱなしの

カメラマンの様子に

目を向ければ



まるで

男の娘の発言


聞いてないかのような


平時の印象の佇まいで


こちらを見てる姿



それは 多分


男の娘が狙った

リアクションからは


程遠い姿なのは明らかで




独り から回ってる


男の娘を



チロリと盗み見た



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