皆さま、こんにちは
香港在住のネクタイ作家、
洋裁教室ナインビーを主宰しています。
先日記事で触れました、香港夜景bagの
一部製作工程の見直しと、改善。
今日はそれを説明しときます
ミシンで何かモノを作る時、縫い始めと
縫い終わりは必ず、返し縫いをします。
返し縫いとは、今縫ってきた所を3〜4針
逆走して重ねて縫うこと。
これによって、縫った糸の端が止められ、
ほつれてこなくなるのです。
よく教室でも「返し縫いしますか?」と
聞かれますが、ミシンで何かを作る時は
特別な場合を除いて必ず、
返し縫いは必要です
で、縫い目の端がほつれないようにするやり方で
もう一つ、止め縫い、というのがあります。
止め縫いとは、針を同じ位置で数回上下させ、
糸を止めるやり方です。
↑このように、縫い目の見た目が
変わります。
糸の端が止まりさえすればいいので
どっちを使ってもいいのですが、
縫い目が主役になるような場合には、
この違いが大きく影響してきます。
例えばこういうの↓
返し縫いだと、縫い始めと終わりの
線が少し太くなってしまうので、
私の香港夜景bagのビル刺繍は、
止め縫いで行っています。
ほつれないように、
返し縫いか止め縫いをしておけば、
糸は根本からブチッと切ってOK。
基本、これで問題ありません。
しかし細かいことを言うと、
その根本の部分からすこぉ〜しだけ、
糸がピヨッと出てきてしまうことがあります。
それは短すぎて、ハサミで切りきれない
ことも、ままあります。
例えばコチラ↓
これは私が作った夜景bagの第1号です。
人にあげるとも売るとも全く考えてない頃
ペロッと作りました。
それからホント毎日のように持ち歩き、
今でも使っている、現物です。
赤い点線で囲んだ部分を拡大します。
糸の端がピヨピヨと出てきているのが
分かりますか?
これは製作の完成時に取り除いた後、
チョロチョロでてくる場合もあり、
私はその都度切り取ってますが、
これがずっと、気になっていた・・・
これです、今回改善したのは
下の写真は全て、縫い始めと縫い終わりを
止め縫いしたものです。
ご覧ください↓
①は糸の端がモシャモシャと出ている。
②は短い糸が出ちゃってる。
この②はハサミで切りますが、短すぎて、
切り口がモシャモシャになり、
ゆくゆくは①のようになる事が多いです。
番号のついていない部分も、いずれ
このようになってくる可能性はあります。
(ずっとキレイなままのことも勿論あります)
それで、③です。
説明します。まず、
縫い目の端は、止め縫いをします。
そうすると、布の表側と裏側に、
それぞれ糸が1本出た状態になります。
そしたらこの表側に出てる糸を、
裏側に引き出します↓
↑表側の糸が裏側に出てきた。
そしたらこれを結んで、玉止めします。
玉止めをすることにより、糸端がより
ほつれにくくなります。
こうなるわけです↓
糸を裏側で結んじゃってるので
もう、ピヨって出ることもありません。
手間が増えて時間もかかるのですが、
仕上がりがとてもよくなりますので、
チマチマチマチマ、結びます。
↑迷路
こうなる↓
さあ、これを表にひっくり返すと〜
こんなに美しい仕上がりになるのです
手間をかけるだけあります。
香港のビル柄は色々な既製品にも
よくありますが、それらとコレとの
違い、分かりますか?
とはいえ、こういう話はピンと来る方と
こない方がいると思います。
モノが好き、拘りがある、違いが分かる、
そんな方に気に入っていただけたら
私はとても、しあわせです。
また、私のbag製作にかける情熱を
ご紹介していきますね
押してくれると嬉しいです。
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いつもありがとうございます