大学と企業を同時に誘致する | 少子化対策を考えるブログ

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勉強しながら対策案を考えます。

今日はこんな記事です。

 

日本が少子高齢化を止める唯一の方法とは?

 

コマツの元社長へのインタビューです。コマツは地元回帰によって社員の出生率を大幅に改善した会社だそうです。長いですが、重要ですので以下抜粋します。

 

私が地元回帰を進めた本質的な動機は、この国の深刻な少子化問題にあります。私たちは1950年代に石川から東京に本社を移し、工場も輸出に便利な関東、関西に移しましたが、多くの地方企業がそういう経緯をたどったことによって、東京への過度な一極集中とそれに伴う少子化を加速させてきた一面があります。代表的な地方出身の企業であるコマツが率先して地方へ回帰すれば、いずれは他の企業も回帰の道をたどってくれるのではないかというのが、私の強い思いですね。

 現に、うちの女性社員のデータを調べてみたら、少子化対策としてその効果は確実に出てきている。30歳以上の女性社員を例にとれば、東京本社の結婚率が50%であるのに対して石川が80%、結婚した女性社員の子どもの数が東京は0.9人であるのに対して石川は1.9人。掛け合わせるとなんと約3.4倍(0.5×0.8=0.4 vs. 0.9×1.9=1.7)も開きが出ている。石川は物価が東京よりもずっと安いし、子育てもしやすいので、当然の結果だといえますね。

 

■雇用と教育は1セット、成功は首長の「強い思い」にかかる

 中原:私は、「大企業の本社機能の分散」は「地方の教育インフラの充実」と組み合わせてこそ、効果が発揮できると考えています。そうはいっても、地方の教育インフラを充実させるために、すべてを地方の財政で賄うのは無理がある。だから、東大でも阪大でも慶応でも早稲田でもどこでもいいから、とにかく地方にひとつ新しい大学キャンパスや付属の高校を創ってほしいと思っています。

 

 結局のところ、たとえ大企業が地方に移転したとしても、子弟を安心して通わせる学校がなかなかないという実情があります。だから、大企業の経営陣も社員たちも地方への移転を積極的に支持することはない。そのようなわけで、地方に良質な雇用の場は生まれないし、人口減少の加速も一向に止めることができないんです。逆に地方に良質な雇用が生まれれば、若い人々が地方に残って働くという選択肢も広がります。
 ですから、地方の自治体は企業と学校をセットで誘致するための努力をしてもらいたいですね。私の自宅の近くにも筑波大学という優秀な大学がありますが、卒業する学生で茨城に就職する学生は皆無に近い。ほとんどが東京の企業に就職してしまう。せっかく優秀な大学が地元にあっても、良質な雇用がなければ効果が大きく減ってしまう典型例なんですね。やはり、大企業と大学の誘致はセットであって初めて、相応の効果を発揮するものだと思います。

 

大学を地方に移すべし、というアイディアはこのブログでも何度か書いています。ただ、その理由としては、若い人を大都市から引き離す、というレベルでしか考えていませんでした。

 

ここでは、企業機能の地方移転と地方の教育インフラの充実をセットで行うべき、という論が述べられています。企業を地方に誘致しても、子弟を通わせる大学がなければ、子供は結局大都市に戻ってしまう。人を地方に留められないわけです。

 

少子化対策というよりは地方創生のためのアイディアだと思いますが、価値が高いアイディアだと思います。

 


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