東海道中膝栗毛<やじきた>シネマ歌舞伎を見て | 紀州屋良五郎 ☆大衆演劇・上方芸能☆情報系ブログ

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結論から言うと期待は裏切られた。
私なら大衆演劇の舞台に軍配を上げる。

【スタッフ】
監督: 浜本正機
原作: 十返舎一九
構成: 杉原邦生
脚本: 戸部和久
脚本・演出: 市川猿之助

【キャスト】
市川染五郎、市川猿之助、市川右近、市川笑也、中村壱太郎、坂東新悟、大谷廣太郎、松本金太郎、市川團子、市川弘太郎、市川寿猿、松本錦吾、市川春猿、市川笑三郎、市川猿弥、片岡亀蔵、市川門之助、市川高麗蔵、坂東竹三郎、中村獅童、

あらすじ
借金取りに追われる弥次郎兵衛(市川染五郎)と喜多八(市川猿之助)は、たまたま大金を手にしたことからお伊勢参りに行くことにする。一方、信夫の領主・梵太郎(松本金太郎)は家督を守り、母の病気の回復を願って、お供の政之助(市川團子)と一緒に伊勢神宮へ向かう。そんな彼らが東海道で出会い、同行することに。その後一行は、なぜかラスベガスにたどり着き、さらには怪奇現象や盗賊らに遭遇し……。

解説
2016年の八月納涼歌舞伎として歌舞伎座で上演され、市川染五郎と市川猿之助が弥次喜多にふんした舞台を映像化した、シネマ歌舞伎シリーズ第27弾。お伊勢参りに行くはずの弥次郎兵衛と喜多八がなぜか2人の子供と合流、ラスベガスにたどり着いたり、怪奇現象に遭遇したりといった珍道中を繰り広げる。市川右近、市川笑也、松本金太郎、市川團子らが共演。古典を大胆に翻案したストーリー、宙乗りや本水の立ち回りといった派手な演出などが楽しめる。

 

 

下ネタもふんだんに飛び出すし、受けないだじゃれも連発。
ドリフの全員集合の雰囲気が漂う、しかけ十分な作品。


ここまで歌舞伎がやるかというほどの作品だ。
これは見る人によって評価の分かれるところだろう。


とても金のかかった舞台装置かふんだんに使われ度肝を抜くことは確かだが…宙乗り・本水・花火・電飾・廻り舞台を使ったキャスト紹介などなど…素人でもかなりのコストをかけているなぁと思う。
 

映画なのに2100円は高すぎるやないか。サービスデーなのに割り引き無し。なぜ?…

本公演なら、大衆演劇料金の10倍という入場料にはあまりにも閉口する。

 

もともと、歌舞伎は大衆の中から生み出されたもの、なのに所詮は通り一遍の古典芸能になりさがったのか。

 

提案する。新歌舞伎座で一ヶ月大衆演劇の公演をやり、木馬館で歌舞伎公演をしてみたらいかがか…きっと違うものが見えてくることだろう。
 

歌舞伎を現代化アレンジとして、崩すなら梅田呉服座の都若丸公演の方がはるかに値打ちがある。

 

おそらく、コクーン歌舞伎の演出家さん(市川猿翁さんを除き)は大衆演劇をご覧になったことがないのであろう。


時代は逆転した。

今や、歌舞伎が大衆演劇から学ぶ時代に入った思いがする。