昨日、ある演奏家の方へお見舞いのお電話を差し上げたところ、
クーデター未遂事件からショックと喪失感で寝込んでしまって、
今だ起きられない、とのことでした。。。

アメリカのニューヨクタイムズで
神がフルートを吹くために造られた演奏家」と評されたSさん
本当にフルートのために生きているような人生です。

Sさんの沈んだ声が電話の向こうから延々と続きます・・・
akkoto ちゃん、信じられないことでしょ!
 ある日突然、戦闘機が自宅のすぐ真上を低空飛行し、
 すぐ近くにある国会議事堂が爆破され、
 何が起きているのか、どうしたらよいのかわからず
 恐怖でおびえていたわ・・・

 秋の音楽フェスティバルもキャンセルになってしまうし、
 どんなに準備していていたことか・・・
 (Sさん主催で毎年海外より多くの演奏家を招待して開催している)
 もう何も計画する気持ちになれないし、
 立ち上がることができるかしら・・・



お箏のお弟子さんAさんも悲しみに顔を震わせていました。
彼女は高校生の息子さんがいますので、
徴兵制のあるトルコでは息子さんも入隊時が来ます。
今回の最前線にいた若い兵士たちは、
クーデターと知らされずに戦車に乗せられて
後でわかり投降したら群衆に暴行されたという事件もあり
母として、「それがうちの息子でもおかしくなかった」と・・・

家族を失なった方々の悲しみが、
最も深いことは察することができます。
一人の方の死にどれだけの近親者が涙を流していることでしょう。
クーデター首謀者とされるフェトフッラー・ギュレンの一派ということで
解雇されたり、関係施設(学校や病院)が次々閉鎖されて
会社も差し押さえされ、銀行口座は凍結、
給料未払いのままある日突然職場を失った人たち・・・
さらに、取引先の連鎖倒産など起こりえます。
クーデターを起こした首謀者、関係者と
知らないで巻き込まれた人たちを明確に区別できるのか心配です(・・;)

今、トルコでどれだけの人が悲しみや不安の中にいるでしょうか。
しかし、毎晩のように中心部で国旗を振りながら集まっている人たちは
「民主主義の勝利!」「クーデター拒否!」などのスルーガンを掲げ、
お祭りムードで笑顔の写真が多いです(°д°;)
参加しない人を「非国民」となじる人もいるそうです(ノ゚ο゚)ノ

古代より様々な民族が入り混じって居住してきたトルコ。
異なる文化や価値観を認め合い
共存することができる寛容な土壌がありますので、
今回の後遺症の亀裂が修復されてゆくことを願います。



人気ブログランキングへ
にほんブログ村
にほんブログ村