走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

過疎医療

2017年08月09日 | 仕事
これ何だと思います?



潮の満ち引きで発生する渦潮です。緯度の高いカナダ沿岸は干満差が大きい。特にここは大きな入江の入り口。入江と言っても日本では考えられないような大きさ。そこの入り口がとても狭くて満潮時に流れ込む水量が半端でないので渦潮が発生。渦潮だけでなく波まで起る。波の高さは2mにもなりサーファーがサーフィンをできるほど。そしてホワイトカヤッカー(急流でするカヤッカー)にはたまらないポイント。携帯カメラなので迫力はイマイチですが。水面が上がって段差が見えることにはびっくりしました。自然の力は凄い!

さて、誰が私の患者になれるのか?例えば家族や親戚?はたまた友達は?免許を発行してる団体によって基準があります。家族は患者になれません。親戚も友達も関係が深ければなれません。これは医師でも同じです。

客観的な判断に感情が入ってしまうからです。だからテレビドラマのように自分の子供を自分の病院に入院させる事はありません。自分が担当でなければカルテへのアクセスも許されません。これは情報漏えいの防止。ケアに関わっている人以外が情報を得るのは厳しく禁止されています。親戚に頼まれて検査結果を閲覧するなんてとんでもない事です。アクセスに対しすぐ赤旗が上がるようになっています。

しかし例外が。田舎で1つの町に1人の医者。こんな状況ではどうでしょう?ご近所さんだって買い物先のレジ係の人や郵便局で働く人。親しい仲から友達に発展する事は人口の限られた街では避けることができません。こう言うシュミレーションも大学院の時にしました。

オーバードースで息子を失った方が話していました。息子が麻薬をやめられない時、医師による診察を勧めると息子がダメだよ。親友のお父さんが医師だもの。医師に話したら親友にバレてしまう。医師に頼らず1人で何とかするから、、、、

治療する側も知り合いを治療するのには葛藤がありますが、治療される側にも不都合が生じてしまう。過疎医療には都会にはない難しい側面が色々あるのです。

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