走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

新しいプラクティス

2017年03月11日 | 仕事
旦那がいないのに私の研修が2日ほど被ってしまいました。仕方がない、長女にすがるしかないのだ。ありがとうね。

で、この研修の目的は性転換に治療の準備ができているかを知るアセスメントができるようになる事。ホルモン治療ができるようになる事。初日を終えて深く考え込む事が一つ。

私の仕事の一つは診断をして治療をする事。そのためにアセスメント項目を使う事があります。例えば認知症の度合いを知るためのMoCA。鬱にはPHQ9。不安症はGAD7。ADHDは、、、とあげればきりがないほど。

で、性転換治療前のアセスメントで重要な事。診断をつけるためではない事。合格不合格をつけるためではない事。医療側の地位を主要するためのものではない事などを事前に説明する事なのだ。

性転換は病気ではなく(現在のメンタルヘルスの診断基準ではメンタルヘルスの一つと位置づけられていますが) その人のチョイス(選択)なのだから、これは人生の選択。誰を好きになるかが本人の自由と同じ。しかし、そのなりたい先に行けるかどうかの鍵を握っているのは本人ではなく医療者のような構造になっているからだ。

治療不可能な病気になり、その苦痛から医師幇助による死を選ぶときアセスメントや段階を踏まなければならないのと同じ。このステップをパスしなければならない。

両方ともその人の体に及ぼす影響が大きい= 医療者の責任が大きい= 2重3重のステップを作り両方のサイドでの安全に努める。と理解していたが、患者の目にはそう映らない。

"合格" しないと自分の人生の選ぶ権利がないと思ってしまう。

んんんん、そう取られるのか、、、と。それをそう取られないように説明をして理解してもらえる技術が必要だと。んんんん、これは難しい事だ。できるのだろうか???と考え込んだ。

明日の講義に期待しよう。



私のブログの写真を並べると青が多い。今日は緑!何が写ってる?
杉の切り株の苔でした。マイクロフォレストみたい…

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2 コメント

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こんにちわ (Harkerboy)
2017-03-11 08:33:00
なるほどぉ〜
難しく大変なお仕事ですね。

絶壁のような写真ですが、切り株なんですね。
大きく写っていることもですが
北米には大きな木が多いので元々とても大きそうですね。北米は日本式に言えば「御神木」だらけですね。
Harkerboy さんへ (美加)
2017-03-11 10:46:14
150年前まで原生林の針葉樹林が広がっていたBC州。イギリス、カナダ東部、サンフランシスコへの供給で全てが刈り取られ、原生林が残っているのは0.1%にもなりません。この切り株は2か3世代目なのでちっちゃいですが、しっかり苔が生えいました。原生林の切り株を見るたび、壮大な森林が広がっていたBC州がどれほど美しかったか想像を掻き立ててくれます。

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