走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

子供を亡くして

2017年06月08日 | 仕事
バンクーバーの緯度は北緯49度。稚内市が45度なので、もっと北になります。緯度が高いと潮の満ち引きも大きくなります。あと2週間で夏至になるので最大の干満差になろうとしています。この日、潮がずっと引いて桟橋の先端近くまで歩くことが出来ました。長く住んでいますが、こんな経験は始めてでした。



息子が死んじゃった、と私の患者が泣きながら診察室に入ってきました。司法解剖の結果はまだ出ていないけれど、状況からオーバードースの可能性が高いと彼女に説明があったとか。

何もかも失くした自分にとって息子との関係だけが生きる支えだったのに、これからどうしたらいいの?と訴えます。

子供を亡くす。

私も耐えられないと思う。想像もしたくない、が正直な思いだ。しかし医療者、特にホスピス緩和ケアをしていた時はそういう家族を多く看てきた。

地元のホスピス会の連絡先と活動を説明し、オーバードースで子供を亡くした両親の会についても説明する。

鬱がある方なのでセルフケアや症状を再確認し、クライシスライン(24時間対応の自殺予防)の電話番号も確認する。

心配だ。

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