走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

わかってもらうにはどうしたら良いんでしょうか?

2016年12月05日 | 仕事
BC州が濃い緑の森に囲まれているのは秋冬の雨季のおかげ。雨の恵みが針葉樹林を育んでいます。と、言うことで雨、雨、の秋と冬。晴れた時は心がウキウキ。家にじっとしていることなんてできません!とブランチと散歩に海沿いの街に出かけました。風は強くて波は出ていたけど久しぶりに見る太陽は気持ち良かった。もちろんデートです。



彼の糖尿病は全然コントロールできていない。以前のようにソーダやジュースを飲むのをやめたけれど、砂糖が入っているお茶を好んで飲み、相変わらずの外食続き(ソーダを飲むことを辞めた努力は素晴らしい!)。

HgbA1cの値(過去3ヶ月の血糖値の平均値)もインスリンを始める前ぐらいに近づいて来た。うーんどうしよう。一番の策はインスリンを2分割にすること。低血糖を避けインスリンの量を上げることができる。しかし彼のインスリンは薬局が投与している。そのサービスは一日一回に限られていて、後は自己注射が必要になる。自己管理に任すとメンタルヘルスの薬を勝手に中止してしまう彼。だから薬局が薬を持って行き服薬を確認する。そんな彼にインスリンの自己注射ができるだろうか?

ケアマネと相談するとメンタルヘルスは最近安定しているから自己注射をトライしてはどうか?と言う。ならば糖尿病教育にまず行ってもらいましょう。コースは6週間。病気の事やダイエット、自己注射までしっかり学ぶことができます。

紹介状を送って帰って来た返事は、本人が拒否。彼は糖尿病のことは知っている。注射のやり方も。なぜわざわざワークショップに行かなければならないのか?めんどくさいと。

ああああああ、コントロール出来ていない事実が病気を理解していない証拠なんだけど、、、と思う私は間違っているのでしょうか?

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