毎日のできごとの反省

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共産主義国家という語義矛盾

2019-06-29 17:05:33 | 共産主義

 マルクスとエンゲルスの発明が共産主義である。その共産主義とは、究極において国家の存在を否定する、アナーキズムである。マルクスらの「共産党宣言」では共産主義者は「共産主義者とは・・・国籍と無関係な・・・プロレタリア階級全体の利益を強調し」と書かれている。アナーキズムこそが、極左である。その反対が極右だとすれば、国家絶対主義である。ところがソ連であれ、中共であれ、実在の共産主義国家とは国家絶対主義である。

 マルクス・エンゲルスの言う共産主義とはアナーキズムだから、共産主義国家とは語義矛盾である。むろん極左翼国家というものもない、ということになる。ソ連や中共は国家絶対主義だから極右国家という事になる。そのことは実際彼らの国策たる共産主義政策の実体が証明している。

 共産主義とは自由に働き、働いて発生した価値、すなわち利潤は、労働者自身が得るものであって、国家や資本家が得てはならないのである。だから国家や資本家から労働者が搾取されることはない、という理論なのである。つまり国家も資本家も労働者の敵として否定される。ところがソ連でも改革開放以前の中共でも、計画経済と称して、国家官僚が生産物と生産量を決め、労働者はそれに従い働き、一旦は生産物を国家に召し上げられ、労働者は国家からの配給を与えられるだけであった。

 これはマルクス・エンゲルスの言う資本家による搾取に他ならない。国家社会主義どころか、国家資本主義に他ならない。国家が資本家になりかわって労働者を搾取するのに過ぎない。極端なのは国営農場などである。農民は土地を国家に召し上げられ、その土地で国家の命令通りの農業をするのに過ぎない。ソ連も中共も一度はこのような集団農場を実行、対外宣伝を大々的に行ったが、集団農場自体が失敗に終わった。

 ちなみにマルクス・エンゲルスは、労働者とはプロレタリア階級すなわち工場で働かされる労働者と定義している。手工業者や農民、商人は中産階級であり、プロレタリア階級ではない。それならば、共産主義者とプロレタリア階級だけが支配する共産主義社会とは、何といびつなものだろう。

 改革開放も、国家経由で外国資本を導入したのに過ぎないから、その本質は変わらない。労働者は相変わらず、外国資本の工場を通して国家から搾取されるようになった。外国資本を導入したのは、満洲に日本が残した資本をむさぼりつくして枯渇すると、中共自体が蓄積した資本がなく、技術も全く持たなかったから、国家は外国資本を利用しただけである。

 現在の中共では、一見中間層が増えているように見えるが実態はそうではない。外国資本の導入によって利益を得ているのは、外国との合弁会社における幹部職員である。この幹部職員とは実態は民間人ではなく、国家官僚である。国家官僚が労働者から搾取した利益を中間で奪い、残りを国家に上納する。受け取るのは中共のノーメンクラツーラ(赤い貴族)たちである。

 中共が西欧の資本主義と異なり、国家資本主義であるというのは、大量に作られる高層マンションによく表れている。高層マンションは売れなくても、国家の計画で次々と作られる。するとマンションというGDPが一見増加するばかりではなく、資材流通も起こり、労働者も賃金が受け取れる。

 昔ソ連では計画に基づき、使われもしない建設機械を量産して、使われないから河に放り込んだ。これは中共の売れないマンションとは五十歩百歩である。自転車操業どころではない。だからいずれ、中共は破綻する。経済は軍事力の基礎である。海外領土侵略を狙ってブルーウオーター・ネービーを建設しているが、経済がこんなことだから、中共海軍と言うのは張子の虎である。

 だが、いくら張子の虎でも、支那は伝統的にプロパガンダ能力が優れているから、張子の虎を本物に見せている。中共の沖縄の籠絡は着々と進んでいる。既にして朝日新聞やNHKは中共のプロパガンダ機関になっている。朝日新聞職員が、いくら日本のための正論を書こうとしても、籠絡された幹部が絶対に書かせない。

 朝日新聞には、人民日報の支局が、NHKには中国中央電視台(CCTV)の支局が入っているのは有名な話である。日本の大手メディアに、中共の国家情報機関に等しいものが入り込んでいる、というのはゆゆしきことである。



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