先日、お昼ご飯に合わせて面会に来られたご家族さんの姿がありました。
このご家族は、よく昼ご飯の時に来園され、自分で食べることが出来ないお母さんの食事介助をされるんです。
この日もお母さんの口に食事を運びながら、
「おばあさん美味しい?」
「調子がいいけぇよぉ食べるね」
「おかげさんじゃねぇ」
と、優しく話しかけておられました。
お母さんから返事はないけど、優しく話しかけておられました。
私は同じテーブルに座り、お二人の姿を見ながらお昼ご飯を一緒に食べました。
私は、テーブルに着いてお二人の姿を見た時に思ったことがありました。
私が思ったことと同じことをご家族さんも思っていたことが、お母さんの食事介助を終えた後にわかりました。
お母さんが全部食事を食べた時、
「よぉ食べたねぇ」
と、嬉しそうにお母さんに話しかけておられました。
そして、ご家族さんは嬉しそうに話しかけながら、お母さんの頭を撫でたんです。
だけど、お母さんの頭を撫でるご家族さんの手は、
「また来るけぇね」
「元気でおりんさいよ」
という意味で頭を撫でたんじゃなかったんです。
ご家族さんがお母さんの口に食事を運んでいる時、お母さんの髪は寝癖でボサボサでした。
そのボサボサの髪を直すためにお母さんの頭を撫でたんです。
何度も何度も撫でておられましたが、お母さんの頭の寝癖は直りませんでした。
ご家族さんはお母さんに、「また来るけぇね」と言い、施設を後にされました。
私も同じテーブル着いた時、「髪の毛ボサボサだなぁ」と思いました。思ったけど、何も言わずにお二人の食事の姿を見ていたんです。
ダメですね。
ご家族は思っても職員には言えない、言いづらいことがあります。これは、私達が気を付けるしかないんです。
私達は、毎日の生活の中で同じことを丁寧に繰り返し続けることが求められているんです。私達自身も朝起きて寝るまで、同じことを毎日繰り返しながら生活しています。日々、当たり前のことを丁寧に繰り返すことが大切なんです。
当園で生活いただいている方は、認知症や身体の衰えで言いたいことを言葉にすることが出来ない人が多いです。
ご家族さんが我慢したり、嫌な思いをしたらダメなんです。
この事をその日の出勤者に話しをしました。次の日の朝礼で全職員へ伝えました。髪の毛・爪・口元の汚れ・髭など、細かく気を付けていてもこのようなことが起きます。
頭を撫でるご家族さんの手は、家族を想う温かな手です。
頭を撫でるご家族の想いを感じ応えないと。
日々、当たり前のことを丁寧に繰り返し続けよう。それがプロだよ。
自分だったらどうだろう?人前に出る時は髪の毛整えるよね。
心から反省です。申し訳ございません。