命綱(いのちづな) | 義母と僕とリハビリ介護日記

義母と僕とリハビリ介護日記

脳出血の後遺症で要介護4、一級障害者になった一人暮らしの義理の母マミー、娘夫婦と同居して厳しいリハビリを続けるか? 
それとものんびり施設入所をするのか?選んだ答えは「厳しいリハビリお願いします!」その日から涙を流してリハビリを頑張る
義母と僕の成長日記です。

義母のマミーは4年前に脳出血を起こして重度の左片麻痺と高次脳
機能障害になりました。自分ではほとんど動けなくなったので現在は
娘夫婦の僕たちと仲良く暮しています。

普段家にいる時はベッドで横になって鼻くそをほじくりながらテレビを
聞くのがマミーの日課なのだが、用事がある時は笛をふくようにと笛
を持たせている。

コレがマミーの笛

 笛

この笛をトイレに行きたくなったり何か緊急な時は吹くようにといつも
持たせてあるのだった。

我家のマミーは寝返りが出来ない。全く出来ないかというとそうでは
なくて麻痺していない右側にはベッドの柵を持って一生懸命頑張れ
ば5割くらいはできる。

しかし僕たちが見ていない時にこれをやると、麻痺している左の腕を
あやまって自分の背中に敷いてしまう時がある。

すると自分ではもう、どうしようもなくなるマミー。

「助けて~、助けてくれ~。かっこちゃん、助けて~。」

小さな声で娘のかっちんを呼ぶのだった。

いつも大した用事でもない時は笛を吹きまくって僕たちを呼ぶマミー
なのに、こんな肝心な時は笛も吹かずにささやくような声でかっちん
に助けを求める。

すると独り言を言っているかと思って、なかなかマミーの所に行かな
いかっちんなのだった。

しかしあまりにも小さい声でブツブツ言っているので様子を見にいくと
上記のように大変な事になっているマミーだった。

「さよちゃん、大変やんか!! 大丈夫か?!」

あわてて背中に敷いている左の腕を取り出してあげるかっちん。

「だからずっと助けてって言ってるのに・・・。」

「こんな時こそ笛吹いて呼ばんかい!!」

「こんな大変な時に笛なんて吹いてられませんよ!!」

じゃ何のためにいつも笛を持っているのだと言いたくなるのだった。

しかしマミーにとっての笛はとても大切な物のようだ。いつもかっちん
が首にかけてあげているのに気がつくと無くなっている。

どうやらベッドに横になった途端に首から笛を外して、自分の履いて
いるズボンの右ポケットに隠しているようなのだ。

それなのにその事を忘れてかっちんにこんな事を言うマミー。

「笛、笛がありません!!」

「ズボンのポケットやろ?」

「あっ、ありました。これはわての命綱(いのちづな)ですからね。」

100円均一で買った笛なのにえらい任務を背負わされた笛だった。


数日前の夜、かっちんがマミーの部屋に行くとマミーがこんな事を
言い出した。

「チョコ・・・。」

「ん? チョコレートいるんか?」

「はい。」

マミーにとってのチョコレートは咳止めだ。ここのブログをずっと見て
くれている人なら知っていると思うがチョコレートは咳止め効果がある
のだ。

薬が飲めないマミーにとってチョコレートは必需品なのである。

かっちんがチョコレートを冷蔵庫から取り出してマミーのお口に一欠
けら入れてあげる。

「はい、チョコレートどうぞ。」

「ありがと、じゃ、コレで・・・。」

そう言って、笛を差し出した。

「何これ?」

「チョコのお代。」

「笛なんかいらんで?」

「そ~お?」


そ~お?と言いながら大事そうにポケットに笛を入れるマミー。


マミーにとってのあの笛は「わての命綱」だと言うだけあって、かなり
の価値がありそうだな・・・。笑


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