ヒゲジイのアル中よもやま話

断酒を始めて早7年目。このブログは回復プロセスの記録と脳のリハビリを兼ねて綴っています。やはり、まだチョット変ですかネ?

HALTにご用心!

2017-01-20 05:40:52 | 病状
 HALTとは、空腹感(hunger)、怒り(anger)、孤独感(loneliness)、疲れ(tiredness)の頭文字を並べたもので、再飲酒を促す危険が大と自助会AAが戒める状態のことです。今回は、このHALTをテーマとしてみます。
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 つい、やっちゃいました。1月3日の正月早々、癇癪を起こしてしまったのです。

 ことの発端は夕食の“すき焼き”でした。前夜から長男一家が、年始がてら久々に孫を連れて泊まりがけで遊びに来ていました。大勢なら鍋、これが我が家の定番です。鍋物では野菜類の切りくずがどうしてもテーブル上に散らかってしまいます。案の定、こぼれたエノキの切りくずが目に止まったので、つい鍋に放り込んでしまいました。妻がそれを見咎めキツイ一言。

「ダメダメぇ、そんなことしたらダメでしょッ!」と鍋からサッと取り去りました。 
「エノキだよ。何で俺のやることが一々気にくわないんだ!?」 とつい声を荒げてしまいました。一瞬その場が凍りつきました。

 これにはいくつか伏線がありました。まず、その日は何やかんやで昼飯抜きだったことです。

 AAの定例ミーティングまで大分時間があったので、ちょっと靴屋を覗いてみようとしたことがケチの付き始めでした。ほんの1軒だけのつもりが、結局、靴屋を3軒も回ることになってしまったのです。しかもついその気になって、よせばいいのに遠くのディスカウント・ストアーにまで足を伸ばしてしまいました。その最後の1軒はミーティング会場から4km弱離れたところにあり、それでとうとう立ち食い蕎麦屋にも寄れないほど時間がなくなってしまったのです。

 ミーティングには何とか間に合ったのですが、その日は年初めの開催とあって超大入りの満員で、補助椅子に座るハメになりました。いつもならお茶菓子を自由に口にできたのに、手を伸ばすことも儘ならず、それで結局、何も口にできなかったのです。帰り道、コンビニでドラ焼き1個をやっと口にできたのですが、甘い物は少しだけだと却って食い意地を煽ります。靴屋回りの疲れに加え、あれやこれやで知らずしらずイライラが募っていたようなのです。

 家に着くとすでに夕食の準備が整っていました。外出から帰ったばかりでは、その場の会話の流れが直ぐには掴めないものです。この時もまさしくその通りで、まるで私一人がつんぼ桟敷に置かれたような気分になってしまいました。この孤立感も伏線になったのだと思います。

 そんなときに起きたのが冒頭の出来事でした。妻は日頃、何かにつけ子供を軽くあしらうような物言いを私にします。そんな妻に知らずしらず蟠(わだかま)りが溜まっていました。周りが皆身内ということからも緊張感を欠いていました。それでつい妻の言いぐさにカチンときてしまったのでした。

 思えばこの日は、私としては珍しく、同時に疲労と空腹に見舞われた日でした。そこに孤立感まで加わったのですから、後は推して知るべしです。なるほどHALTは危ない、と実感しました。殊に周りが身内だけだと、“一息ついて 一歩引いて” など、どこかに吹き飛んでしまいます。しかし、かくも見事にお膳立てがそろっていても、私は大丈夫、酒に手を出すなどしませんでした。念のため。

 この記事が書けるまで実質2週間の猶予が必要でした。ことが起こってから気持ちの整理がつくまで、どうしても時間がかかってしまいます。何時いかなる時も “平常心” を保つ。このゴールはまだまだ先のことと思い知らされた一日でした。



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