この前、リメイクに使ったウィリアムモリスの
マスキングテープ。
ウィリアムモリスは知っていたんですが、実際に商品を手にするのは初めてで、
何気なく買ったモリスデザインのマステの図案をまじまじ見て、
その魅惑的な雰囲気にすっかりやられていまいました
こんばんは。消しゴムはんこ作家のよしこです。
今日は、ウィリアムモリスについて改めて考察しました。
モリスデザインの壁紙とかは流行っているみたいで、結構みかけるんですが、
実は、なんか、あのこってりした、少しケバいような感じがあんまり好きではなかったんですね。
ウィルアムモリスについては、大学のときのデザイン史で習いました。
世界デザイン史
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↑↑この教科書で。
ウィリアムモリスはロンドン生まれ。
ちょうど産業革命の時代の人です。
ウィリアムモリスのすごいところは、
(おもいっきり簡単に言います)
①めちゃくちゃこだわる、手を抜かないデザイン力(要は頑固ジジイ)
②高い理想を提唱した。アーツアンドクラフツ運動(つまり頑固ジジイ)
の二つだと思います。
①のデザイン力ですが、
ウィリアムモリスで、ググって画像をみれば、わかると思うんですが、
細部まで仕事がぬかりない!!
そこがケバく感じる所以ではある。。。
よく見ると背景に小さなつぶつぶが見えると思うんですが、
これ自然界の何を表現してるんだろう……。
小さな虫なのかもしれないし、
虫の卵なのかもしれないし、
水滴が光っていろいろな色になっているものかもだし、
といろいろ考えられるんですが、
(これを想像するのもまた楽しい。)
これがあることにより、ただのベタ塗りと違って、点描画のような効果が生まれ、奥行きがあるように見えるのですね。
計算してやっているのだと思います。
なので、図案をよく見れば見るほど、ウィリアムモリスの森(世界観)に引きずり込まれます。
ホントすごいな〜と思います。
②のアーツアンドクラフツ運動ですが、
どんな信念の運動なのかといいますと、
産業革命がおこり、結果として大量製品による安価な、粗悪な商品があふれてしまった時代に
こんなことじゃ、ダメじゃーー
と批判して、
中世の手仕事に立ち帰ろう!
生活と芸術を統一しよう!と主張した運動です。
生活と芸術を統一するとはどういうことかというと、
産業革命以後の工場での機械化された無味乾燥な仕事ではなく、
労働そのものが創造的であるべきだ。
ーー田舎で田畑を耕したり、料理をしたり、服をこしらえたりなど。生きていくために必要な仕事をいとおしみながら、丁寧にそれ自体を味わいながらといった感じ…。
絵画や彫刻が真のアートというんじゃない!!
生活を丁寧に気持ちよく過ごすための、
内装や食器などの、身の回りのもの「小芸術」こそが真のアートだ!
という考えなんですね。
絵画や彫刻がヒエラルキーのトップだという常識をドカ〜ンと蹴っているんですね。
う〜んと、もっとわかりやすくいうと
偉い人、お金持ちの人しか持ち得ない絵画や彫刻がヒエラルキーのトップだというんではなくて、一般の人が生活に使うもの、実用的なものこそがヒエラルキーがトップなんだぜっていう感じでしょうか?(←乱暴な説明)
これ、バウハウスの理念など近代デザインのベースの考えにつながっていくという、
かなり革新的なものでした。
。。。。すごいっすよね
で、モリス商会を設立し、装飾された本(ケルムスコット・プレス)やインテリア製品(壁紙や家具、ステンドグラス)などを製作しました。
しかし、こだわりの手作業の製品を作ったため、金額が高くなってしまい、結局、一般の人にはなかなか手の届かないものを作ったんじゃんと。批判されています。
うん、そうなんだろうなと思いますが、
今日日まで、図案は受け継がれていますし、
人気もあるし、
現在では、マスキングテープなど手に入りやすい製品も出てる。。。
(だいぶ後になってから、一般の人でも手に入る製品になっているんだね・・・)
本物の仕事をしていたからこそ、長く愛されていて、今でも図案がいろんな商品化されているのだと思います。
多少、原価はかかっても時間はかかっても
いいものを作るっていうのは、大事なことなのかな・・・と、
今回、ウィリアム・モリスを見てそう思いました
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